イベントを企画するとは
鎌賀 信吉 : 9月号
数回にわたりイベント業務プロセスを学ぶとして掲載してきましたが、今回はイベントづくりの最初の段階である企画立案についてご紹介いたします。
【イベントづくりの段階】
企画立案 ➡ 計画策定 ➡ 制作・施工 ➡ 会場運営 ➡ 結果の検証
<今回の対象>
イベントを企画立案する場合、どこから何を考えていけばよいか途方にくれることがあります。参考にしようにも、日々、大きな会場で何万人も集まるコンサートから、特定客に向けた商談会、個人的なネットワークを広げるためのイベントまで、多種多様な形態や目的のイベントが開催されていて、どのイベントのどこに着目すればよいのか分からないほどです。
【イベントの形態】
博覧会 |
見本市・展示会 |
祭り・フェスティバル |
文化芸能 |
スポーツ |
会議・集会 |
【イベントの目的】
そこで原点に立ち戻り、イベントにはどんな特徴があるのかを考えてみたいと思います。イベントは様々な人が参加し、空間・時間を共有することで成立します。これらの必要な要素に分けたものが、イベントの6W2Hと呼ばれているものです。
【イベント企画の要素:6W2H】
Why |
なぜ |
実施の動機や背景・何を達成するために開催するのか |
Who |
だれが |
誰が責任主体で、誰を関係者、協力者とするのか |
Whom |
だれに |
参加してほしいのは誰か |
What |
なにを |
どのようなプログラム、会場サービスを提供するか |
When |
いつ |
時期、曜日、時間帯をどのようにするか |
Where |
どこで |
どこで実施するか、会場、交通アクセスはどうするか |
How |
どのように |
どのようにイベント進行・演出、運営を行うか |
How much |
どれだけ |
どの程度、予算があるのか |
この6W2Hにしたがって、「だれが」「だれに」向けて、「なにを」提供をしようとしているのか、そしてそれは「なぜ」やるのかという具合に検討していきます。要素自体は難しいものではありませんが、実施したいイベントによって、検討の優先順位が変わってくることに気をつける必要があります。
例えば、学園祭であれば、開催日・開催場所は決まっています。また、例年の予算が決まっている場合もあり、ターゲットとする層ごとに効果的に訴求できるプログラム・サービスを検討することになります。
また、スポーツ競技体験会であれば、提供したいプログラムは決まっています。その上で、訴求したい人たちをターゲットし、効果的な地域・開催場所 そして開催時期を決めていくことになります。
イベントの企画を考えるのは非常に楽しいものです。
「講演だけをつめこんだセミナーは時代遅れ、聴講者が参加できる参加型のイベントにしたい」
「ブース出展社に、効率よい情報提供の場と数多くの商談を提供できる展示会にしたい」
など多くのアイディアが湧いてくると思います。ここで生まれた企画構想は、様々な人たちに共有され、会場やプログラム、会場サービスとして具現化されていくことになります。そのため、「なにを」だけではなく、その背景にある「なぜ」がきちんとその他の要素に分解されているように心がけます。
イベントには多種多様な人々が関わります。
【イベントに参加する人たち】
イベント主催者 |
プログラム制作者 |
会場制作者 |
会場運営者 |
観客・聴衆 |
ボランティア支援者 |
協賛者・後援者 |
・・・ |
このような参加する人たちにイベントをイメージしていただき、賛同してくれるように、メッセージをつくり、発信を行うことが、イベントの最初のプロセスである企画立案において実施しなければならないことになるのです。
実践的なフレームワークづくりをめざしているイベントマネジメントSIGでは、学んだ知識をまとめるだけではなく実際にイベント企画を担当していくことでブラッシュアップを図っていきたいと思っております。ご協力を依頼することもあるかと思いますが、よろしくお願い致します。
以上
【出典】
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「基礎から学ぶ、基礎からわかるイベント」 日本イベント振興協会 |
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「優れたリーダーはどうやって行動を促すか(How great leaders inspire action)」 Simon Sinek |
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