~プロジェクトを取り巻く環境~ |
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プロジェクトを取り巻く環境は市場が変化しており、レッドオーシャンからブルーオーシャン(競争の激しい血の海から、競争が激しくない平坦な青い海)の市場を開拓していかないと変化に対応できない状況となっている、最近のプロジェクトの特徴をまとめると以下になる。
・ 経験のない新たな多様な技術や業務
・ 業務内容が分野をまたがる未知数の多いテーマ
・ 漠然とした要求や不明瞭な使命の解決すべき課題
・ 現代社会の各分野で社会課題を提案実行する課題
これらを含むプロジェクトを総括して“課題解決型プロジェクト”と呼ぶ。このようなプロジェクトは従来、コンサルタント・アーキテクトがやっていたが、今後は組織またはプロジェクトマネジャーが一貫したプロジェクトとしてやっていく必要性がある。しかし、多くのプロジェクトマネジャーは従来からある要件設定型プロジェクトの経験しかないため、課題解決型プロジェクトに対しては頭を抱えてしまっている。
この講演では、課題解決型プロジェクトを進める際のはじめの部分である、曖昧・観念的要求の課題解決、論理的思考による目的・目標の設定についてお話しする。
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~PMの思考と行動の基本~ |
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課題解決型プロジェクトを進める際には、現状にこだわらず、見て、知る、知的活動を基に思考をめぐらすことが必要であり、個人の持つ感性から判断し行動する考え方である全能的思考が重要となる。
課題解決に必要な思考方法は、大きく分けて2種類がある。
・ ロジカルシンキング
・ クリエーティブシンキング(デザイン思考)
どちらか一つを選ぶのではなく、この両方の考え方とも必要だと考える。
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~問題整理と課題設定とその解決までの流れ~ |
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課題解決型プロジェクトを解決に導くための手法は以下の通り。
<観察~ギャップ分析まで>
①観察・情報(ありのままの姿)、②状況分析(ニーズの取り込み・問題の追及)、③原因の追究、
④課題の抽出(使命、施策の方向性を示す)、⑤ギャップ分析(SWOT分析)
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<決定分析・目的/課題設定>
①決定分析(SWOTのマイナス/プラス要因)、②目的と課題(目的のための方向)設定
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<SMARTによる目標設定>
①Specific:具体的仕様や各種条件、②Measurable:PJの数値目標、③Agree Upon:体制や承認、④Realistic:達成可能性、リスク、⑤Time:スケジュール
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<具体的目標値の設定と基本計画>
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~課題解決型プロジェクトの事例説明~ |
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T国の中央銀行への新規決済システム開発プロジェクトの事例を元に前述の手法を説明。
このプロジェクトは経験のない新たな多様な技術や業務を含むものだった。プロジェクト準備段階から、手法に従って調査分析から始め、一からプロジェクトメンバーを集めるところからスタートし、最終的には、客先への提案と交渉の末、案件を契約受注するまでの過程を紹介した。
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~まとめ~ |
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課題解決型プロジェクトにあたっては、自ら感じて、全能的思考で、前向きに課題に取り組み、目的・目標にむかって自ら行動を起こして、ネバーギブアップの精神で実践力を働かせて目的を果たすことが重要となる。 |