今月のひとこと
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  継続学習  

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :5月号

 春夏秋冬と「季節がうつろう」といった言い方がありますが、何となく違和感を覚えています。確かに、新緑が眩しいさわやかな5月になったのですが、季節変化の仕方が乱暴になったのではないかと思うのです。「うつろう」という穏やかな言葉が似合わない、極端な暑さ寒さの変化、局所的な暴風雨等が頻繁に現れています。地球温暖化に伴う気候変動の前触れということなのでしょうか。

 昨年度PMS資格試験に合格した方を対象に継続学習(CPU)の手続に関する説明会を開催しました。
 せっかくPMS資格を取得されてもCPU申請を行わずに失効してしまう方が多いのです。どうしてでしょう。いろいろな原因が考えられますが、まずは手続きが簡単だということを知ってもらおうということで、説明会を開催することになりました。手始めに試験合格直後の方を対象としました。
 2016年度に新たにPMS資格を取得された方を対象に、説明会開催をメール連絡したところ、多くの方から「参加する」あるいは「参加できないが資料は欲しい」との回答がありました。15名の参加で開催することになりましたが、説明会当日までに出張や会議等が入った方がでて最終人数は半数近くになりました。PMS資格を取得されるような方は多忙だということを再認識させられました。
 説明用の資料を作っていて改めて思ったのは、継続学習というのはPMに関する知識を試験合格時のレベルに維持するためではなく、PMスペシャリストとしての成長を促すために行っているのだということです。PMS資格試験自体はP2M標準ガイドブックから出題された問題に一定割合以上正解すれば合格となります。しかし、継続学習の対象としているのは、プロジェクトの実務活動、PMに関する研究、普及・啓蒙活動、PM関連講演の受講等です。P2M標準ガイドブックの知識をベースにPMスペシャリストとしての技能を磨くという活動を後押しすることが、継続学習の狙いです。
 継続学習ポイント獲得のための有料セミナー参加費用が大変だと言う人がいますが、PMSのCPUポイントは有料セミナー以外にも獲得手段が多数あります。「PMスペシャリストとしての技能を磨く」ことに繋がるのであれば、殆どのケースが該当するといえます。説明会ではこの点も強調しました。その一例として、下の図を示しました。
 プロジェクトにはP2Mツリー以外にも必要となる知識・技能があります。PMスペシャリストには、この分野の知識・技能の研究・学習も必要であり、継続学習の対象となります。プロジェクトの現場では、新技術や業務に関する説明会・勉強会を開催することが多いと思います。また、個人として情報処理技術者や一級建築士に挑戦する方もいます。そうした活動は、プロジェクトの効率性・生産性の向上あるいは成果物の価値向上に繋がる活動なので、継続学習の対象としてCPU申請して欲しいと説明しました。
 今回の説明会では、さらにPMRに合格したばかりの方にお越しいただき、PMR挑戦の動機やPMRとしての抱負を語っていただきました。継続学習の先にPMR資格試験挑戦を目標の一つとして欲しいという思いを込めたものでしたが、熱心に聞いていただけました。
 今後、同様の説明会を順次開催していく予定です。


以上

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