例会部会
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『第219回例会』報告

須貝 均 : 4月号

【データ】
開催日: 2017年2月24日(金) 19:00~20:30
テーマ: 「震災復興を語る」
 ~被災地における地域復興、地域再生の事例~
講 師: 柴崎 健一 氏/(株) トレック 専務取締役

【はじめに】
 震災から6年が経過しようしている宮城県の被災地について、地域復興・再生はどう進められているか?復興支援を行うボランティア団体「ITで日本を元気に!」の地域再生の4つの活動事例を講演頂きました。
また、実際のソーシャル活動に於けるプロジェクトマネジメント手法への課題にも触れて頂きました。

【講演概要】
ボランティア団体「ITで日本を元気に!」の紹介
「ITで日本を元気に!」は、IT関連の経営に携わる方々と被災地の方々、現地自治体関係者とが直接接する機会を増やし、今後重要になってくるであろう復興へのITの関わり方について、的確かつ継続的な施策を立案し復興の支援を行うことを目指し設立されました
事例の紹介
以下の4事例について「ITで日本を元気に!」での具体的な復興支援の紹介を行って頂きました。
1. 被災現場からの発信:一般社団法人 東松島みらい都市機構
希望の大麦プロジェクト
2. 復興に向かって:東北大学 大学院農学研究科 東北復興農学センター
復興農学 葛尾村プロジェクト
3. 観光協会の強みを生かして商品開発:一般社団法人 南三陸町観光協会
旅行商品ネット販売システム「みなたび」の構築
4. 自伐型林業による地域づくり:合同会社 波伝の森山学校
南三陸木の家づくり互助会

講師が考えるソーシャル活動に対する留意点
1. 理念・ビジョンと具体的目標の設定
2. ステークホルダー(活動に何らかの影響を及ぼす個人及び団体)との関係構築とその維持
3. 活動中の想定外の出来事への対処
4. 活動成果の評価

【所感】
 今回の講演では、東日本大震災直後から自ら被災地に入り物資提供を行い、その後も長期に渡って継続している復興ボランティア活動の事例を紹介頂きました。事例の紹介に際しては、現地スタッフへのインタビュー映像やドローンによる空撮映像も活用頂き、現場の生の声を直接聴き、復興の現状を見ることができました。
「ITで日本を元気に!」の運営委員の方のエネルギッシュな活動姿勢に改めて敬服した次第です。
 特にドローンによる空撮映像により実際の復興状況を第三者にも見える化した事は、まさにITの効果を実感出来るとても印象的なシーンでした。

 ソーシャル活動に於けるプロジェクトマネジメントでは、活動中に計画の変更を余儀なくされることが度々あり、震災復興のケースではステークホルダー(利害関係者)とのスケジュール調整、自然が相手であり天候に大きく左右されやすい等 「計画は変わるもの」が前提でマネジメントする必要がある事をあらためて認識しました。我々SIerの常識である「計画に基づき、うまくコントロールする」事が成功条件のプロジェクトマネジメントとは全く異なるアプローチとして、大いに参考にすべきと思いました。
 最後に、本日参加頂いた皆さんがそれぞれの立場で、東日本大震災で被災した皆様に寄り添い、震災への関心を持ち続け、今後に活かしていく機会となれば幸いです。「リメンバー・ザ 3.11」

柴崎様、興味深いご講演をいただき大変ありがとうございました。

以上

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