PMシンポ便りコーナー
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PMシンポジウムを通じて

PMシンポジウム実行委員 山田 由美子 [プロフィール] :10月号

 参加者全員がひとつとなって創り上げるプロジェクト、PMシンポジウム2016は、リオ・オリンピック、甲子園に続き、熱闘を繰り広げ、次への素晴らしい余韻を残し、幕を閉じました。
 今年のPMシンポジウム2016は、「変化に適応し、変化を創り出す」をテーマに9月1日、2日の二日間に渡って開催されました。
 昨年、PMシンポジウム2015で、発表をさせていただいたことが、きっかけで、微力ではございますが「本プロジェクトに携わってみたい」という想いから、実行委員としてシンポジウムの企画・運営から参画させていただき、改めて素晴らしい協創プロジェクトであることを実感いたしました。
 日本最大級といわれるPMAJの一大イベントであるシンポジウムは、事務局の方々、ボランティアの皆様、講師陣等、多くの方々が携わり、自分達の手で創り上げる喜びは、絆を深め、チャレンジ精神を刺激し、達成感、継続へのモチベーションのスパイラルを生み出していると感じ入りました。
 今年は、企画の中にチャレンジングな取組をされたこともあり、完成への喜びは大きかったのではないでしょうか。
 講演も、大変素晴らしいもので、多くの学びや貴重な気づきをいただきました。未来価値創造トラックの司会を担当させていただき、プロジェクトの在り方・人材育成等について、共感し、感動した面白い取組みをされている企業がありましたので、ご紹介させていただきます。
 そのプロジェクトは、家づくり、モノづくりの会社、社長自らが発案した週一度のバーベキューから始まりました。「社員が毎日、楽しくワクワクしながら、仕事ができないだろうか」という発想から始まったものでした。
 バーベキューというツールを活用し、斜に構えた人も自分を出せない人も、仕事で成果を出せていない人も場を変えることで、お互いの人間的魅力を発見し、それぞれのキャラを生かして良いよ、という信号を送り「天才を認めあう」という原点に戻ったのでした。
 個々人を認め合うことで、職場は、キャリアをつくる、働くステージをつくることだけではなく、やりがいに目覚め、チャレンジにも繋がっていく「人格形成のステージである」との認識に立ち、深堀し人生の目的を設定する。
 「感動の数を成果とする」姿勢は、様々な涙、涙のストーリーが生まれていました。お客様の最大の夢、一生の夢でもある「家を建てる」ことに、そのプロセスから寄り添い、家族の絆づくり、幸せづくりを応援し、お客様と感動というステージで自己実現と共創の喜びを分かち合うことを実現し、「成果と利他の心」を学ぶ。
 掛け算のプロジェクトマネジメントは、心の健康を創り、自分自身の在り方に目覚め、お互いを認め、生かしあい仕事のやりがいと人生の生きがいが一つになったその「天才たちの力」を「社風力」とし。その人間力、発想力は、社内、自分達のお客様に留まることなく、「建築」から生み出される力を最大化し、地域創成、世界へと環境にも貢献を果たしていました。
 素晴らしいエッセンスが、ぎゅーっと詰まったプロジェクトマネジメントに、「日本流」を垣間見、多くの学びと感動をいただきました。

 私は、通信会社在職中に秘書を務めており、数多くのプロジェクトに携わり、様々な状況を目の当たりに見て参りました。プロジェクトマネージャーの視点でもなく、プロフェッショナルとしてのプロジェクトマネジメントは語ることはできませんが、秘書と事業部のマネージャーという立場から、幹部の意思決定、お客様との関係性、組織の在り方、プロジェクト全体の状況、組織、チームメンバーの心の状態を把握し、現状の問題・課題解決に向けて、プロジェクト推進をすることも、重要なミッションでした。
 IT業界に女性社員が全体の1%もいない男性社会の時代、チームメンバーの心のケアは、重要でした。
 組織、チームメンバーの一人一人と向き合い、個人が抱えている問題についても、寄り添い、自分軸に戻し、プロジェクトの意義、仕事と人生の摺合せを共に考え、応援することでした。
 「一人一人がもっと輝いていけるプロジェクトの成功はないものだろうか?」とプロジェクトマネジメントの重要性を痛感し、プロジェクトマネージャーの在り方、人材育成等に興味を持ったことが、きっかけで、「ダイバーシティー研究会・リーダー育成」を始め、現在は、PMAJのWomen's SIGにも参画させていただいております。
 企業の発展のみならず、人類の未来価値創造は、全てがプロジェクトから始まります。生産性、効率性を求めた時代からデザインする時代に変化し、なお、変化し続けている時代だからこそ、多様性や多様な価値観、個の力を掛け算にする協奏の時代を求められているからこそ、プロジェクトマネジメント、プロジェクトマネージャーの存在が重要だと考えます。日本の明るい未来を創るため、次世代のために、将来を担う多くのプロジェクトマネージャーの育成に努め、グローバルで通用する多くのリーダーを輩出していくことが、私達の真に成すべき役割だとPMシンポジウムを通じて、あらためて実感をいたしました。

 
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