PMAJ Networking(会員交流会)
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「プロジェクトマネジャーの育て方」

cocokara 代表 吉田 則子 [プロフィール] :7月号

○ はじめに
約2か月半前に事務局の方より6月度Networkingの話題提供を依頼され、経験になればと引き受けさせて頂きました。雰囲気を知るためにと前回のNetworkingに飛び入り参加致しましたところ、参加者が錚々たるメンバーであることにまず驚き、私のような若輩者が仮にも講演などしてもいいのだろうか?と不安になりました。しかし皆さまが大変温かく接してくださり、そんな不安もすぐに解消致しました。比較的小規模なNetworkingという場だからこそ自由闊達な議論が飛び交うことが分かりましたので、皆さまにお知恵を拝借するつもりで今回は「プロジェクトマネジャーの育て方」という話題を提供させて頂きました。当日はあいにくの雨のせいか5名欠席でしたが8名の方にご参加頂き、期待通りに正直な「ここだけの話」の議論も飛び交い、大変勉強になる有意義な会でした。

1.  医薬品開発プロジェクトの概要
医薬品開発は他の業界に比べると大変期間が長く、成功確率も約2.5万分の1とも言われ、業界特有のプロジェクトマネジメント(以下、PM)手法が必要とされることを説明した。

医薬品開発プロジェクトの概要

2.  医薬品開発のPM研修事例
企業内での研修事例は各社各様であるので、医薬品開発業界でのPMのあり方を学びあうPP&Mフォーラム(2016年6月現在 49社116名)という団体の取り組みを紹介した。この団体はPMの普及による医薬品開発期間短縮への貢献を主目的とし、約20年前から現在も活動している。PM熟練者から若手PMの育成まで、いくつかの階層に分けて勉強会を開催しており、業界全体のPMの底上げに貢献している。

3.  学びを実践に活かすには
はじめに述べたとおり、私自身が「このようにプロジェクトマネジャーを育てるべき」という解を持っている訳ではない。私見ではあるが、PMという実学には「理論と実践のギャップ」をどう埋めていくのかが鍵ではないかと述べさせて頂いた。そこで4つの学習モデル「学習転移モデル」「経験学習モデル」「批判的学習モデル」「正統的周辺参加モデル」を簡単に解説し、“育てたい”相手に応じてどの学習モデルが効果的なのかを見極め適用していくことが必要ではないかと結論し、話題提供とさせて頂いた。

○ おわりに
今現在“育てたいプロジェクトマネジャー”が居る方の具体的事例があり、これまで豊富なご経験をされてきた他の参加者の方がアドバイスを行うという、Networkingの場にふさわしい交流ができたと思います。ひとりひとり違う「人」が対象なので明確な解は永遠に導き出せないかもしれません。しかし、このような場を通じて経験を語り合い学びあうことで、一筋の光が見出せることを感じました。
参加者の皆さま、事務局の皆さま、改めてお礼申し上げます。このような機会を与えて頂き本当にありがとうございました。

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