例会部会
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第208回例会 報告

生越 直人 [プロフィール] :5月号

【データ】
開催日: 2016年3月25日(金)  19:00~20:30
テーマ: 「ボスマネ・コーチング」
~上司を動かし結果を出すためのプロマネの作法~
講 師: 上田 雅美 氏/株式会社アネゴ企画 代表取締役

【第208回例会 報告】
~はじめに~
 例会部会の運営を行っています我々例会KP(キーパーソン)は、「コーチング」をテーマとした例会を開催したいと考えました。

 そこで、昨年11月に上田様と打ち合わせを行い、「例会では、どの様な講演が良いか」議論しました。その中で、上田様より「上司を上手に動かすコーチング」のご提案を頂きました。コーチングと聞きますと、上司が部下を育てるための手法というイメージが強かったのですが、逆の発想で面白そうだと思いましたので、今回の例会を企画しました。

 ボス・マネジメントとは、部下が上司を戦略的に動かして、自分の仕事やチームの仕事の成果を最大化することです。本例会では、その考え方と具体的なスキルを身につけ、プロジェクトマネジャーのみなさんが主体的になってプロジェクトを運営する作法を身につけて頂きたいという思いから、上田様よりご講演頂きました。

~講演概要~
■ボスマネとは何か?
 部下が主体となり上司とよりよい関係を築き、目標を達成するために上司に積極的に働きかける(マネジメントする)考え方で、「コーチングアップ」「マネジメントアップ」「ステイクホルダーマネジメント」を含んでいる。

 基礎力として、「対人能力」「対自己能力」「対課題能力」があり、これらの能力を持ち発揮できる人は仕事ができる人である。

■相手について理解を深める
 上司が、どんな事をしようとしているか理解する必要がある。
 どんな価値観(仕事観)を持っているのか?仕事の中で上司が大切にしていることを知り承認し、伝わっていることを伝えることが大切である。
 学習スタイルとして、ヴィジュアル・引用・言葉・経験や体験など何を大切にするタイプなのか。
 更に、上司の経験知や強みも知る必要がある。

 上司と自分の違いは、「間違い」ではなく「幅」と考える。理解して活用し合い、上司の強みを借りる(強みを引き出す)シーンを作ることにより、部下も成果を上げやすくなる。

■今の状態を受け入れ、改善する
 上司と信頼関係を築く3つの「R」がある。(「上司を味方にする技術」著・本間正人)

Receptive Listening:受容的傾聴
     思いやりつつ声を聴く
Resonating Recognition:共感的承認
     心に響くほめ言葉
Respectful Collaboration:尊敬的協働
     礼をつくして力を借りる

 上司も人間であり、ほめられたいということを忘れてはいけない。
 そして、上司を味方にすることが大切である。

■まとめ
 上司と一緒に何をするのかを見つめる。
 上司にこびたり、上司を嫌ったりするのではなく、目的のために力を合わせるべきである。

 働く環境を主体的に創るために、次の行動を繰り返し実施する。
 「関係を築く」→「信頼関係ができる」→「期待を超える」→「本心を伝える」→「さらに関係が強くなる」

注 ) 講師のご了解を頂き、PMAJライブラリに資料をアップ致しましたので、詳細はこちらをご参照願います。

~まとめ~
 上田様ご自身が部下だった時代の経験を交えた、とてもわかりやすい例会でした。
 「上司なんだから、やってくれて当たり前!」と思うのではなく、「自分はもちろん上司も解らないことがある」と理解することが大切であると感じました。
 上司との信頼関係を築くためのキーワードとして教えて頂きました、「傾聴」「四毒素」「四毒素からの解毒法」等には、明日からすぐに使い始めることができるようなポイントが多く含まれていました。

 自分から上司へ積極的に働きかけ信頼関係を築くことは、自分の仕事の成果を最大化することになるとになるので、自分の仕事の中でも活用していきたいと思いました。

 最後に、我々と共に部会運営メンバーとなるKP(キーパーソン)を募集しています。参加ご希望の方は、日本プロジェクトマネジメント協会までご連絡下さい。

以上

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