今月のひとこと
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 for Open Communication 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :5月号

 新緑の季節です。木々の緑は目に眩しく、爽やかな風がそよぎます。
 4月22日の日経春秋では、緊急事態であることを理解しているのか駄々をこねたり騒ぐ子供がいない、避難している人に手を洗ってもらおうとトイレの前でヤカンを持つ小学生が立っているといった熊本の避難所の様子を伝えていました。容赦ない自然の理不尽に、なんとも悲しい気持ちで5月を迎えます。

 PMAJオンラインジャーナルの編集を担当するようになって1年となりました。それが仕事ではありますが、全ての記事を少なくとも3度は読ませていただいています。よくもまあ、これだけ多士済々の方々が執筆しているのだろうかと、唯々、感心するばかりです。
 PMAJをSWOT分析するならば、最大の強みはこの多士済々という点ではないかと思います。すなわち、極めてOpenな組織であり、一次産業、二次産業さらには三次産業と様々な業種の方と接点があります。また、学生、研究者、営業職、技術職、管理職等様々な職種の方が自由に出入りされています。PMAJの活動に参加すれば、誰もが驚きとともに新しい発見をすることができます。
 しかしながら、Openであることは一方において組織維持という面での弱点でもあります。PMAJの運営は会員の会費や各種セミナーの参加料等で賄われているのですが、Openであるがゆえに会員でなくても活動に参加することができるのです。毎年、会費を払って会員資格を維持しなくても、必要な時だけ参加料を払うとした方がリーズナブルだと考える方もいます。ここ数年、個人会員数が減少しています。
 PMAJでは、原則として活動への参加制限は設けていませんが、研究レポートや各種論文について会員限定としている情報が多数あります。さらに、そうしたPMAJ保管情報の基となる非公開情報を、会員間で直接情報交換するよう、事務局が取次ぐこともあります。もちろん、企業機密に属するなど非開示となっている情報は対象外ですが、プロジェクトマネジメント関連調査の成果物等、有用で交換可能な情報が多数あります。
 先日、PMAJホームページ上の会員限定ライブラリに保管されているセミナー資料について、より詳細な情報を入手したいとの要望がPMAJ事務局にありました。該当資料はPMAJ会員の部会活動成果物であったので、部会に連絡し、直接連絡を取り合っていただきました。情報の提供側も受取り側も個人会員でしたので、身元は確りしています。情報入手の目的も妥当なものでした。
 今のままのペースで会員数が減少していくと、こういった形での情報交換の場も失われてしまいます。
 プログラムマネジメント及びプロジェクトマネジメントに関して、多くの業界から集まった様々な情報を活用できるOpen Communicationの提供は、PMAJのミッションの一つであるPM実践家同士の交流をも推進するものです。情報の有効活用を推進するうえで、会員登録は最低限のルールとなります。PMAJに集まる情報は、機密とはいえないまでもプロジェクトの現場に近い貴重なものばかりなので、誰彼となくばら撒くわけにはいかないのです。
 いま、読んでいただいているオンラインジャーナルは誰でも読めるようになっています。PMAJジャーナルは会員や特定の方を対象に配布しています。既刊のPMAJジャーナルやセミナー資料の一部をホームページ上のライブラリに保管していますが、多くは会員限定となっています。会員登録をしていただいて、より多くの情報を入手、あるいは情報交換できるOpen Communicationの権利を入手しようではありませんか。

以上

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