『第206回例会』報告
中前 正 : 3月号
日頃、プロジェクトマネジメントに従事している皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、1月に開催した『第206回例会』について、ご報告いたします。
【データ】 |
開催日: |
2016年1月22日(金) |
テーマ: |
「コンフリクト・マネジメント入門」~Win-Winへのマインドとコミュニケーション~ |
講 師: |
早稲田大学紛争交渉研究所・鈴木有香氏 / 株式会社オイコス |
プロジェクトに携わっていると、様々な局面で、意見の対立(コンフリクト)に遭遇します。特に昨今はグローバル化や価値観の多様化が進み、一層コンフリクトが発生しやすい状況になってきているといえます。
しかし、コンフリクトの中身に注目すると、問題を創造的に解決できるカギが潜んでいることも少なくありません。コンフリクトの肯定的な面に光を当て、Win-Winの関係を志向していくために必要なものは何か。今回は「コンフリクト・マネジメント(協調的交渉術)」の第一人者である鈴木有香氏を招き、そのあたりのヒントを探ることにしました。
講演は、参加者間で今の率直な気持ちや気になっていることをただ話し合うだけの「チェックイン」からスタート。その後、コンフリクトの中身を分析するために重要な視点や、対立の協調的な解消法の説明が続き、最後に「チェックアウト」で終了しました。
特に、コンフリクトの分析視点では、「(交渉)相手を自分のエリアに入れたい場合の手法(強制・服従・妥協・回避・協調など)」や、有名な「オレンジの分け方(オレンジは1個しかないが、姉と妹の2人とも「1個」ほしいと思っている時の解決法)」の話を交えながら、互いの立脚点(ポジション)や真のニーズを汲み取ることの重要性を説明。また、否定的な表現や批判、苦情などを、肯定的な意味で捉え直す「リフレーミング」の手法も体感的に学ぶことができました。
私は、今回の講演を通じて、コンフリクトは決してマイナスではなく、新たな発見が得られ、相互理解を深めるための好機であること、そしてそのように捉える「発想の転換」が、プロジェクトをマネジメントしていく上で重要なマインドだと感じました。今後、私自身がコンフリクトに遭遇した時、一度心を落ち着かせ、今日学んだことを思い出してみようと思います。
例会では、今後も、プロジェクト・マネジャーに必要なヒューマンスキルをテーマに取り上げていく予定です。引き続きご期待ください。
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