今月のひとこと
先号   次号

 PM実践家の育成 

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :2月号

 暖冬ではありますが、時折、強力な寒波が顔を出して、雪に慣れない人々をからかっています。例年より 1か月遅れで、インフルエンザの流行が始まったそうです。体調管理には、十分気をつけてください。

 PMAJでは、「PM実践家の育成」をミッションの一つとして掲げています。PM実践家と言ったとき、最初に思い浮かべるのはプロジェクトマネジャー (PjMgr) ですが、プログラムマネジャー (PgMgr)、プログラム・プロジェクトのオーナー、プロジェクトメンバー、さらには PMO要員など、プログラム & プロジェクトマネジメント (PM) の実践に携わる人は広い範囲に及びます。
 どのように PMを実践するかは立場によって異なりますので、「PM実践家」像も様々だと考えられます。PMAJでは、「PM実践家の育成」ミッションを具体的なシナリオに落とし込み、世の中で望まれる様々な「PM実践家」像に対応した育成策を遂行してきました。残念なことに、そのプロセスのかなりの部分が暗黙知のベールに包まれています。現在、暗黙知のベールを 1枚ずつ剥がして、「PM実践家の育成」シナリオ及びデザイン形成プロセスを形式知化する作業に取り組んでいます。
 PM実践家に必要なPM知識については、P2M標準ガイドブックに示された内容を理解する学習を進めればよいと考えられます。これは、PjMgr、PgMgr、オーナー、PMO、メンバー全て共通です。ただし、PM知識をどの程度必要とするかについては、立場によって差があるようにも思われます。オーナーと PMO では、必要とする PM知識に差があると考えるのが妥当です。また、同じオーナーという立場にあっても、プログラム・プロジェクトへの関わり方は様々です。この辺りをどう整理するかがポイントかもしれません。例えば「 『P2M標準ガイドブック』 に記載されていることは、PMの基本なので PM実践家共通知識として身に着ける必要がある。」と一括りにまとめると、PM知識の保有を保証する PMS資格試験にはオーナーからメンバーまで全員合格すべきだということになります。「オーナーは、『P2M標準ガイドブック』 の中でも、経営判断に必要な事項に絞って身に着ける必要がある。」とするとオーナー向けガイドブックの整備が必要です。
 PM実践力については、PjMgr、PgMgr、オーナー、PMO、メンバーそれぞれに役割が異なるので、必要な実践力が異なります。各種セミナーを用意していますが、それぞれの実践力向上に役立つものが揃っているか、内容が充実しているか、どのセミナーを受講すればよいかが分かり易く表示されているかなど、再検証が必要だと思われます。
 PMAJ「PM実践家の育成」活動を多少でも改善できるように努めてまいりますが、アドバイス等あればぜひお寄せください。

ページトップに戻る