1. |
スコープ
ISO21504 はポートフォリオマネジメントに関する手引であり、どのような組織にでも対応可能で、さまざまな PPP環境に適合できることが意図されている。
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2. |
用語と定義
ポートフォリオ、ポートフォリオ構成要素、ポートフォリオマネジャー、戦略的整合性の 4つの用語が定義されている。ここでポートフォリオ構成要素とは、ポートフォリオを構成するプログラムやプロジェクト等のことである。
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3. |
ポートフォリオマネジメントの原則
原則とは組織の環境に依らず適用できるものである。組織戦略と整合性のある便益の達成のために取り組むべきことは次のとおりである。
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組織戦略との整合性の取れたポートフォリオ構成要素の選択 |
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組織能力の最適化 |
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便益最大化 |
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ステークホルダーの期待の特定とマネジメント |
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可視性の確保 |
組織としてポートフォリオマネジメントの導入にあたっては、これらによる組織への影響を評価してその採用が決定される。
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4. |
ポートフォリオマネジメントの必要条件
組織としてポートフォリオマネジメントを行う上で具備すべき要件で以下を含む。
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ポートフォリオという投資に対してその必要性やそれから得られる便益を組織として正当化する仕組み |
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組織としてポートフォリオの構成要素 (プログラムやプロジェクトなど) を優先順位付けして取捨選択できるような基準や枠組み |
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ポートフォリオマネジメントのプロセスや報告体系と組織のそれらとの整合性 |
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ポートフォリオのガバナンスの確立 |
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5. |
ポートフォリオのマネジメント
ポートフォリオマネジメントは戦略的目標との整合性確保、便益最大化、コミットメントの達成、意思決定を継続的に実施するもので、そのプロセスは次のとおりである。
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ポートフォリオの定義 |
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潜在的ポートフォリオ構成要素の特定 |
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ポートフォリオ計画の定義 |
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ポートフォリオ構成要素の評価と選択 |
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ポートフォリオの戦略目標との整合性の妥当性確認 |
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ポートフォリオパフォーマンスの評価と報告 |
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ポートフォリオのバランスと最適化 |
戦略と便益と継続的に整合させるためには、組織はビジョン、ミッション及び価値にもとづく組織戦略を戦略的目標に落とし込み、好機と脅威というリスク環境の中でポートフォリオ構成要素をマネジメントして便益を達成する。
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