関西P2M研究部会
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~関西P2M研究部会 恒例「秋の合宿」報告~

関西P2M研究部会 幹事 土肥 正利 [プロフィール] :11月号

はじめに
 関西P2M研究部会は、前身であるP2M実践事例研究会の2005年の発足から、まる10年を経過いたしました。
 この10年間、毎年分科会参画メンバーを中心に研究部会として、年 3~4回の定例会を開催し、10月の秋には、一泊二日で、メンバー勤務先の健康保険施設を利用させて頂き合宿を実施してまいりました。毎回、分科会活動もこの秋の合宿を契機としてメンバー同士の結束が高まり、研究テーマの深堀がなされてきた感がいたします。

 さて、ここ2~3年低迷していましたが、今年は 5 つのテーマが候補としてあがり、現在 3 つの分科会が活動中です。10月7日の合宿 当日は、3つの分科会の報告、参加者全員での意見交換や、昨年度から関西で実施しているワークショップ「強いプロジェクトチームを造る!」の中から切り出して「チームでタワーを創造せよ!」のチーム対抗ワークを行いました。
 また、毎年 PMAJ本部や関西の有識者によるプロジェクトの実践経験からの特別講演は知見を広め、興味深い貴重なお話をお伺いできる大きな特典です。もちろん、会議の後の夕食懇親会、宿泊部屋での一献傾けながら語り合うのも楽しみの一つです。

以下当日の内容について簡単にご紹介させていただきます。
1. 各地域のP2M研究部会の活動状況報告
全国各地域P2M研究部会の部会長が集った全体会議がシンポジウム前夜の2015年9月2日に東京船堀にて開催されました。
【関東】 :研究テーマの成果を毎年まとめ、報告書を発行している。
【中部】 : 「プロジェクト成功のためのケースタディ」の取り纏めを年間継続テーマとして交流会、研究部会を開催している。
【関西】 : ワークショップの実施、分科会を立上げて新メンバーの参画を促す取組みや、他地域との交流を継続している。PM人材育成支援に向けた公募への協会の体制など、分科会で提言をまとめようとしている。
【中四国】 : 「行動観察」、アジャイルをテーマとして活動している。他地域とも共通するが、メンバーの高齢化、新規メンバーの獲得が課題である。
【九州】 : 「IT化の原理原則 17ヶ条」から、課題、必要スキルを整理し、「上流工程におけるユーザー/ベンダー間のギャップを埋める勘所」を九州P2Mセミナーで発表した。15年度は「要件定義の勘所」を深耕中である。

2. 特別講演 講師 小石原 健介氏
テーマ : 「難問解決と思いがけない事態から学ぶPMの実践力」
『プロジェクトマネジメントは、実践科学といわれる側面を持っている。 いくら机上の知識や手法を学び専門知識を身につけても、それだけでは役に立たない。実際のプロジェクトでは、なかなか教科書通りには進まず、与条件は絶えず変化しており、思いもよらぬ難問やトラブルに遭遇する。とりわけ「緊急時や予期せぬ難問への対応については、既存の枠組みや、原則論、机上の論理のみでは解決できないケースが多い。場合によっては、却ってこれらの専門知識が問題解決の足を引っ張ることになる。そこで、テーマでは、実戦で役に立つ濃密な現場経験に裏付けられた直感力、大局観など多分に暗黙知に依存する判断、対応について、実践事例を通して伝えようとするのが狙いである。問題発生時の際立った対応として、時空を超えて今なお鮮明に残る事例を紹介する。』
(当日の発表資料の「テーマの狙い」を引用)
事例紹介として、南アフリカ 某製鉄所での完成直前での「大火災事故」、台湾 製鉄プラント建設プロジェクトでの「火入れ式での修羅場」、ドーバ海峡トンネルプロジェクト、大阪関西空港プロジェクトにおける大規模複雑なプロジェクトでの大変な困難に直面されたときのご経験と学びをご紹介頂きました。

3. 各分科会活動報告
1 ) 「P2M 標準ガイドブック 改定第 3 版を読み解く」 研究部会 メンバー 9 名
9/7、10/2 開催 スケジュール、成果物イメージ、疑問点を抽出して深読みを開始した。
成果物のイメージとしてメンバーで下記の内容を共有した。
GBのコラムのようなものを作成する。
その中に、「あるある P2M」、「P2M川柳」を組み込んではどうか?
6月の関西セミナーで濱さんがお話しされた様なストリーをもっと身近な自分たちの業務に当てはめてみてはどうか?
今年度は読み解いた成果物として上記を検討する。

2 ) 「地方創生に向けたP2M活用」 研究部会 メンバー 4 名
8/21、/17 開催 研究方針と運営方針、関係する政策の報告を行なった。
プロマネが主導する地方創生事業の、立案・運営、実施の場面で、協会が存在感を発揮する組織・体制の提案を活動目標とする。
地方創生事業運営主体とその体制、事業者とその体制を調査し、協会の体制との差異検討、協会が取るべき体制の提案を行なう。また、地域インフラ維持管理と防災・減災に向けた取組研究を活動計画としている。

3 ) 「ビッグデータとP2M」 研究部会 メンバー 7 名
8/13、9/25 開催 デモ、分科会の活動内容・活動計画を共有した。
分科会として、ビッグデータを以下の様に位置づけ事例研究、ビッグデータがPMに与えるインパクトを評価する取組みを開始した。
人智を超えて存在する膨大なデータ量を扱い、処理・分析して活用する仕組み
種々雑多で膨大に存在するデータの間に価値ある相関関係を導き出して、可視化したり予測したりする仕組み。

4. ワークショップ
1 ) 「 【地域社会における社会インフラの維持管理と防災減災】 の検討」
「地域社会における社会インフラの維持管理と防災減災の検討」「ちばレポ (9-3_ChibaCity.pdf) 」、GIS官民協議会が運営するOSSによる G 空間プラットフォームが存続困難になっている問題を提起したうえで、参加者全員から質疑、意見をいただいた。これらの意見を分科会に持ち帰り、議論していく。

2 ) 「強いプロジェクトチームを造る!」
スパゲッティの乾麺とマスキングテープで組み立てたタワーの上へマシュマロをのせ、時間内に一番高くタワーを建てたチームが勝となるゲームです。2 度のチャレンジで着実にタワーを建てたチームもあれば、手を離した瞬間倒壊してしまうタワーなど様々でした。このワークを通じ初参加の方も一気にメンバーと意気投合できました。
ワークショップ ワークショップ

さいごに
関西のPMAJ会員の皆様ならどなたでも参加できます。これまで参加されたことのない方、PMS、PMC資格を取得され新たにPMAJ会員となられた方も是非来年はご参加ください。お待ちしています。

以上

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