今月のひとこと
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パーツ交換するだけ

オンライン編集長 深谷 靖純 [プロフィール] :11月号

 マイナンバーカードの通知が届きました。手続きは簡単なようですが、何となく釈然としないので暫く眺めていました。このまま何もしないとどうなるのでしょうか。何かをしなさいと指示をされ、しなければならないと分っていても、できるだけ先延ばしにしたいという気分に襲われることが、時々あります。どうしたもんですかね。

 私ごとですが、自宅で使っていたパソコンが突然に動かなくなりました。POWERスイッチを押しても、ランプが点きません。マニュアルの手順どおりに、電池ユニットを取り出して10分程置いてから再セットすると立ち上がりかけるのですが、直ぐに力尽きてしまいます。メーカーのサービスセンターに連絡すると、宅配業者がパソコンを引き取りに来ました。パソコンにはデータが入っているのですが、修理のためにパスワードを教えることになっています。説明書には、パスワードを教えないとデータを全部消すことがあると書かれています。宅配業者に渡さずに修理をするには、かなりの時間と複雑な手続きが要るようです。編集子としては 1 年保証 (故障したパソコンは購入してから10か月目でした) の権利を行使しようとしただけなので、釈然としませんが、背に腹は代えられません。
 1 週間後にパソコンが戻ってきました。電源ユニットに不具合があったので交換したとの説明が付されていました。昨今の電子機器の修理は、パーツ交換だけだそうです。数年前にテレビが故障したときも、問診で故障個所を特定できたとのことで、サービス担当の人が該当パーツを持ってきて、あっという間に交換して修理完了でした。自動車の修理も「板金塗装」のイメージがありますが、殆どは部品交換のようです。
 電子機器の修理作業の簡略化が進んでいるのであれば、修理に関わる事業モデル自体も簡素化して、パスワードの開示やらデータの消去・漏洩を心配しなくて済むような仕組みを組込むことはできないのでしょうか。
 修理スタッフには、障害箇所を判定できるだけの技能が必要ですが、修理そのものはパーツの交換だけですので熟練者である必要はありません。パーツ交換で手に負えないような故障は取り扱わない、あるいは、新品を購入するよりも高額な料金を設定して外部に委託すればいいのです。
 電子機器本体のメーカーは様々ですが、中身の部品メーカーは限られています。複数のメーカーの製品を修理対象とすることもできます。
 問診によって故障個所の特定ができれば、パーツを持参しての出張修理が可能です。秋葉原とか新宿とかターミナルに「パーツ交換修理」の専門店舗を置くことも考えられます。熟練技術者を配置する必要がないので、人件費は抑えられるはずです。
 既にこのようなサービスを行う事業者がいたとしたら、編集子の勉強不足です。次回、保証期間が切れた後の故障の際には、ぜひとも利用したいと思います。

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