PMAJ Networking(会員交流会)
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アジャイル / デザイン思考イノベーション

竹腰 重徳、中谷 英雄 [プロフィール] :9月号

 最近イノベーションを実現するツールとして注目されているのが、「アジャイル」と「デザイン思考」です。製品企画を担当するデザイン思考チームが、顧客の現場に行って観察・共感し、問題を探索して真の課題を見つけて、その解決案を創出し、それを高速にプロトタイプして、顧客のフィードバックを得ながら、顧客の真のニーズを実現するプロダクトの機能を明確にします。開発を担当するアジャイル開発チームがそれを引き継いで反復漸進的に顧客価値を開発します。アジャイルとデザイン思考の統合プロセスにより、真のニーズに合ったイノベーティブな顧客価値 (製品・サービス) を迅速に提供できます。アジャイル開発とデザイン思考を統合して使う方法は、アジャイルとデザイン思考のマインドセット (人間中心、反復プロセス、チーム、顧客との協調、失敗から学ぶなど) がほぼ同じであることもあり、スムーズに統合でき、革新的なプロダクトを迅速に創出するのに有効なアプローチ方法です。この方法は、リーンスタートアップやGEのファーストワークスに取り入れられ、実績をあげています。
 そこで今回の話題提供は、アジャイル / デザイン思考統合イノベーションについての特徴・考え方を提示し、ウォータフォールが定着した文化の中で、アジャイル / デザイン思考イノベーションを実現する方法の普及のためにどうしたらよいかをテーマに話題提供をしました。ネットワークーキング参加された実践経験豊かな参加者の皆さんからは、貴重な以下のようなご意見・宿題を頂きました。今後、講師としても、更なる検討、説明上の工夫をして行きたいと思います。
1 ) イノベーションを起こすプロセスを検討する上で、欧米の方法主体の説明ではなく、日本の英知がもっと活用できるのではないか?
2 ) 提案された「アジャイル / デザイン思考統合プロセス」は、適用業種、技術的・業務的な難易度において、適用し易い・し難い点があるのではないか? そのメリハリが不明確であった。
3 ) 現在は、人間中心思考、人間中心設計が主要なテーマであり、そこをもう少し掘り下げて説明する必要があるのではないか?

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