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PMAJへの期待 - 20~30代の人材とプロジェクトマネジメント -

イノベーションマネジメント株式会社 髙村 智: [プロフィール] :8月号

プロジェクトマネジメントと私
私は、就職を機に「プロジェクトマネジメント」の世界に飛び込んできました。学生時代は機械工学を専攻しており「プロジェクトマネジメント」という言葉は耳にしたこともありませんでした。就職活動で初めて耳にし、当時は、ただ何となく「必要そう」ということしか感じていませんでした。
それから約 8 年、「プロジェクトマネジメント」ついて考え、P2Mや上司から学び、また、それらを実践する環境を提供してもらい、経験を積ませてもらいました。その経験を通じ、「プロジェクトマネジメント」が「成果物を作りあげるスキル」と並んで「必要なスキル」であると考えています。
特に、その必要性を実感した経験が、プロジェクトマネジメントシステムの導入です。国内外の様々な開発ベンダーと協働して、顧客要求を満たすシステムを提供しました。
システムを提供するためには、要件をまとめ上げ、品質の高いシステムを開発する「成果物を作りあげるスキル」は必要不可欠です。しかし、各エキスパートが集まってもなかなか成果が出ない時期があり、「なぜ成果が出ないのか?」を悩むことがありました。
各エキスパートがスキルを発揮する環境づくりは、プロジェクトの成果に大きな影響を与えます。顧客や開発ベンダーの発言、チームメンバーの報告、スケジュールやリスクの情報…等、様々な情報から問題を察知して対策を講じるといった「マネジメント」の仕方が、「成果を上げる」か「成果を上げにくい」かに影響を与えることを目の当たりにしました。歳を重ねるごとに、プロジェクトマネジャーに近い立場に近づいたがゆえに、その経験を振り返ると、プロジェクトマネジメント必要性を認識することができたと思っています。

20~30代へのアプローチ
高専や大学時代の同期 (20代後半~30代前半) の多くは技術者として就職しています。彼らに話を聞いても、「プロジェクトマネジメント」に関しては名前を聞いたことない、名前は聞いたことあるけど内容はよく知らないという声を多く聞きます。また、参加したPMAJや他団体のイベントやセミナー、業務の中で携わったプロジェクトマネジャーや PMO (プロジェクトマネジメントオフィス) の方々の中には、私と同年代の人は少なかったと感じています。
今、欧米ではプロジェクトマネジャーやPMOを担う人材が不足していることが課題と位置づけられています。そこで、20~30代をターゲットにプロジェクトマネジメントに関する教育や情報共有のために、様々な団体が「場」を提供する様子が見られます。また、各企業も20~30代の世代に、外部の「場」への参加を促し、プロジェクトマネジメントを知る「きっかけ」を与えることに積極的になっていると感じます。
海外では、優秀な技術者が、社内だけではなく社外にも存在し、組織を越えて仕事することも増えてきています。様々な文化や考え方が異なるメンバーでプロジェクトの成果を上げていくためには、環境や文化の異なるメンバーをまとめ上げ、彼らが持つスキルを十分に発揮できるプロジェクト運営、プロジェクトの条件と環境を整える「プロジェクトマネジメント」を重要視しているように思えます。欧米では、すでに「プロジェクトマネジメント」を重要なスキルと位置づけ、数年後にも競争力を得ることを目的に動き始めているように感じます。

今後のPMAJへ期待すること
十数年後の将来に向け、各企業の次の世代、さらに次の世代が、プロジェクトマネジメントに関する情報共有、人脈形成等の目的に応じて積極的に参加できる環境が必要だと思います。
私の同年代の人材が積極的に参加でき、また現在第一線で活躍されている方々と接することで刺激や知識を身に付けられると思っています。PMAJが、このような経験を積む“場”となり得る可能性を持っていると思います。
私自身、PMAJの法人会員の担当者 / PMS認定者として、P2M倶楽部への参加や外部への発信等、身近な友人から認知してもらうよう取り組んでいきたいと考えています。
微力ながら今後の活動に貢献できればと考えています。

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