PMRクラブ
先号   次号

“プロジェクトマネジメント”のとらえかた

「PMRクラブ」代表幹事 欄所 敏勝 [プロフィール] :6月号

 この度PMRクラブ2期目の代表幹事を務めさせて頂く事になりました。四国在住のため何かとみなさまのお力に頼ることも出てくると思いますが、宜しくお願い致します。

 いきなりタイトルから、どういう意味だろ?いまさら何を?と思われる方もいると思います。実はここ最近“プロジェクトマネジメント”という言葉について、人によって、組織によって、かなりその使い方に違いがあるといった場面に遭遇しました。そこで、あえてこのタイトルを選びました。

 国語辞典やウェキペディアでは、「業務上のプロジェクトを成功に導くための総合的な管理手法のこと。スケジュール、人員、資金、物的資源などの管理を含む。」とあります。
 今回は特に“マネジメント”についてのとらえかたに着目します。“マネジメント=管理“と訳しますが、確かに間違っていません。では、管理とは?

 とあるプロジェクトのキックオフのときの話です。

 まずここでとらえかたに違いがありました。マニュアルに沿って、決められたことを、確実にこなし、PDCAをまわすこと、という人がいました。一方、別の人は前の人に加えて、目的に向かって関係者をまとめ、不確実性の高い取り組みを、ゴールに導くことだ、と言いました。
 彼らとの会話の一部を紹介しましたが、前者は“管理する”ということを主張し、後者は“リーダーシップを発揮する”と言うことを主張していました。ちなみに前者の職種は教育関係者 (とある施設の館長さん)、後者の方は中小企業の創業者 (特殊金属加工)、です。

 ここで、議論となったのは、【リーダーシップ】と【管理】、は相反するものではないか!ということでした。
 この記事に目を留めてくれたみなさんはどのように思いますか?

 相反するとか意味が違うということは確かにそのとおりなのですが、私が一番大事だと思ったことは、お互いのとらえかたを尊重した上で、チームとしてどう共通認識すべきか、ということでした。プロジェクトを進めていくのに当然リーダーシップは大事です。もちろん管理も大事です。
 このとき起こった現象は、それぞれの職種や経験が異なり、自分たちが取り組んでいた仕事の内容もことなり、それによって自分たちの“プロジェクトマネジメント”という概念が出来上がっていて、お互い熱くなり、自分のやってきたことがプロジェクトマネジメントだ!という想いを主張した結果のことでした。

 ご紹介した内容は、どこにでもよくある、とらえかたの違いかもしれませんが、こういう議論を行わずにプロジェクトを進めていくといつかどこかで衝突すると思います。
 用語の定義はみなさん初期に必ず行われていると思いますが、“プロジェクトマネジメント”という言葉ですら今回のような議論になります。文書であらわしてもその理解、認識、が異なっていれば、それは結局伝わったことにはなりません。
 私自身、とても勉強になった実例でした。

ページトップに戻る