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「プロジェクトマネジメントと工程管理について」

三菱重工業株式会社 小畑 昌克: [プロフィール] :5月号

「随想」という事で、私が、プロジェクトマネジメントと工程管理について、普段感じている事を述べさせて頂きます。

私の部署では、化学プラントのEPCプロジェクトを遂行しておりますが、「プロジェクトマネジメントとは、映画製作に似ているのではないか」、と感じる事があります。
監督はもちろんPM、役者はエンジニア・バイヤ・建設作業員等、裏方の音声さん・照明さん・大道具さんなども、想像力を働かせると、その様な役割のスタッフがいそうです。スポンサーなどのステークホルダーも同じ様に存在します。映画が完成し興行が始まるという事は、プラントが営業運転を始める事です。試写会は、さながらコミッショニングと言った所でしょうか。

さて、私の課で担当しているスケジュールコントローラーは何に該当するものか、と考えてみると・・・少し大袈裟かもしれませんが、「脚本家 (兼助監督) 」になるのではないでしょうか。プロジェクトをどの様に遂行するかを計画し調整する事は、映画のストーリーを練って脚本を作る事であり、工程表やそのベースとなる計画事項は、ストーリーが描かれた脚本と言えます。また、プロジェクト (撮影) が始まれば、計画 (脚本) からの逸脱を監視し、また計画を実現する為に指揮を執るPM (監督) を補佐しながら工程管理を行う事になります。
NGや不測の事態で撮影が遅れる事もあるでしょう。逆に、脚本の修正や、監督によるアレンジ、役者のアドリブなどで、より良い映画にする事もあります。

予定通りに (工期・予算内で) 映画が完成し、興行が成功し (プラントが利益を生み)、映画の内容が評価され (プラントが社会に貢献)、最後は、プロジェクトメンバー全員で、笑いながらNG集を見る事が出来れば最高です。その為に、最良の脚本家である事を目指してゆきたいと思う、今日この頃です。

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