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「わが社とPMAJへの期待」

三井造船株式会社 水越 隆: [プロフィール] :4月号

三井造船の水越と申します。青天の霹靂ですがオンラインジャーナルに随想を執筆するチャンスを与えて頂きありがとうございます。
わが社のPMの現状とPMAJへの期待を述べます。

1. 会社概要
弊社は船舶・海洋、物流システム、社会インフラ、動力エネルギー、先端機械システム、プラントエンジニアリング、環境・リサイクル、IT・サービス関連などの製品を製造・建設する総合重工業会社です。弊職が所属するエンジニアリング事業本部は石油化学プラント、石油精製プラント、無機化学プラント、バイオガス・マスプラント、ごみ熱分解溶融プロセス、廃棄物再資源化施設、橋梁、風力発電、海洋・土木建築工事などを建設しています。

2. 弊社のPMの現状と課題
弊社は80年代初めに本格的に海外へ進出し、実績を通して標準Project Execution Procedure を整備し、また当社の自社開発システム、業界標準システムを使用しながら客先のPM要求を満足するようにプロジェクト毎に対応してきました。
一方、石油化学などのプロジェクトは近年大型化し、一社単独での受注が減り、他社との共同受注 (アライアンス型のプロジェクト) が増加しています。また、業務プロセスが「部門・システムごとの効率化」から、「プロジェクト組織体としての最適化」、さらに他社も含めた「プロジェクト共同体としての最適化」へ変化してきています。
このような状況に対応するために、弊社はプロジェクト情報が体系的に収集され、統合されるプロジェクトマネジメントシステム (PMS) を開発し、さらに社外を含めたプロジェクト関係者で情報を共有出来るように、WEBコラボレーションシステムを開発しています。
文書管理、調達管理システムは全ての海外プロジェクトに適用され、スコープ管理、コスト管理、工数管理システムは特定のプロジェクトで実用化されています。WEBコラボレーションシステムも実用化されています。
課題としてユーザーテストは終了していますが、実工事に使用していないスケジュール管理、進捗管理を実用化して、コストとスケジュールを統合するアーンドバリューマネージメントを行い、コスト超過やスケジュールの遅れの原因となっているWBSを素早く探すようになることです。またプロジェクト適用した結果をフィードバックしPMSを改善して、適用するシステムを増やすことです。

3. PMAJへの期待
PMAJのMission にありますように企業単独では難しい「グローバルに急激に変化する環境にあって、時代の要請に応える高度な視点、広い視野を有するPM人材を育成」を期待します。
そのために引き続いてP2M普及活動、PMP® 関連講座・セミナー、PMシンポジウム、PM普及活動などを継続して下さい。

以上

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