4. |
クレーム対応の重要性と経営上の目的 |
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( 1 ) |
クレーム対応の重要性と経営に与える影響 |
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① |
クレームの撲滅 (削減) を考えるよりも、クレーム対応力を強化することが重要。 |
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② |
クレーム対応力を強化することで、お客様の信頼と信用が向上する (雨降って地固まる)。 |
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③ |
逆に対応を誤ると (対応の失敗や対応力の弱さ、スピード等含む)、お客様からの信用を失い、取引停止に陥ることもある。迅速なレスポンスが最重要課題である。 |
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④ |
クレーム対応の仕組みを構築することにより、企業のマネジメントレベルの向上が図られるとともに、企業のパフォーマンス向上に繋がっていく。 |
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⑤ |
クレーム対応の仕組み構築と全社員への浸透により、現場改善や品質向上に繋がっていく。 |
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⑥ |
クレームと真摯に対峙することにより、お客様第一の理念や経営マインド向上に繋がっていく。 |
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⑦ |
クレーム対応は個人で対応するのではなく、組織として対応する文化風土が重要。 |
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⑧ |
クレームに真摯に対応することで、技術が進展し経営力がアップする。 |
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( 2 ) |
クレーム対応力強化を阻害する要因 |
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① |
経営幹部層のクレームに対する意識力の欠如、甘さ
⇒「あの会社は、また何かケチをつけてきた!」「しばらく、ほっとこう。そのうちほとぼりも冷めるやろ」「代替品を送っとこう」「こちらの弱みを見せずに、相手の弱点を追求しよう!」等々。 |
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② |
「クレーム即品質不良」と思いこむ文化風土
⇒クレームの原因は品質不良だけではない。相手先 (お客様の現場) の使用ミスや使用条件の設定ミス、契約時の仕様確認モレ、搬送時に不具合発生等々ある (詳細は上述の当業界のクレームの特徴参照)。 |
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③ |
人材・ノウハウ不足
⇒クレームの重要性は認識しているが、その為の仕組 (ルール・規定) を構築できる人材・ノウハウが欠如している。 |
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④ |
財務的・経営的余裕がない
⇒クレーム処理の仕組構築をする人的・資金的余裕がない。 |
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⑤ |
チャレンジ精神に欠ける企業風土
⇒余計なことはしたくない、面倒くさいことはしたくない、効果 (メリット) が不明な仕組構築に余分な時間・労力はかけたくない。 |
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⑥ |
学習機能がない。同じクレームが幾度となく発生する
⇒クレームを個人の処理に頼り、それで終わっている。対応経過や教訓等を文書化し蓄積するルールが確立していない。 |
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⑦ |
部署間連携ができていない
⇒クレームは組織力で対応するという文化風土が欠如。 |
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( 3 ) |
クレーム対応力仕組強化の必要性 |
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① |
信用力の強化 : 適確で迅速なクレーム処理の実施し、継続的な見直し改善や、次期製品・サービスにフィードバックする仕組を構築することにより、取引先及び銀行等からの信用力が向上し、売上向上や資金等の財務改善に繋がっていく。 |
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② |
クレームの再発防止 : 同一クレームの再発防止だけでなく、類似クレームの伝染阻止やクレームによる風評拡大 (インターネット、携帯等の普及) を防止出来る。 |
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③ |
資産ノウハウの蓄積 : クレームを適切に処置する仕組を構築することによって、クレーム処理ノウハウが蓄積され、知的資産として有効活用できるようになる。 |
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④ |
人材の育成強化 (マネジメント力の強化) : クレーム処理の仕組構築を実践することによって、人材の育成が図られるとともに、それを適切に継続的に運用することによって、経営マネジメント力の強化に繋がっていく。 |