プロジェクトマネジメント・スキルとP2Mガイドブック
P2M研究会 (東京) NK: 3月号
最近、プロジェクトマネージャー育成についてご相談を受けることが重なりました。いずれも
「プロジェクト資格を取得させて、あとは実務経験でスキルアップをさせようと思っているのだが、思うように現場経験を活かした成長が思い通りに進まない」
という内容でした。原因はなんであろうかとディスカッションをしたところ、
・ |
プロジェクトの意義を自分の言葉で語れること |
・ |
収支を見通せること |
・ |
リスクと上手に付き合えること |
といった事項は必須であるが、それだけではなく
・ |
メンバーが困ったときに相談されること |
・ |
メンバーのモティベーションを維持できること |
・ |
メンバーの体調・メンタルの変化に気づくことができること |
・ |
意見の違う人たちをファシリテーションできること |
といったスキルも必要なのではないかという結論に至りました。
しかし、これらのスキルは専門的な教育を長期間受ける必要があり、プロジェクトマネージャーが全てのスキルを習得することは現実的ではありません。さらに、プロジェクトマネージャーだけでこれらの面まで含めて単独で責務を果たすことは不可能です。
そこで、プロジェクトにおいては、社内外の専門家と連携してプロジェクトをサポートする体制を整えた上で、プロジェクトマネージャーにはこのようなスキルに対する理解を促進する教育を盛り込もうということになりました。
次に、プロジェクトマネージャー教育計画を進めることになりました。そこで、教育の範囲・レベルを設定することになりましたが、育成モデルをつくり、カリキュラムを組んでいきました。今回の目的は全てのスキルのスペシャリストを目指すのではないため、
プロジェクトマネージャー自身で習得すべきレベル
プロジェクト外部の専門家に委ねるレベル
を設定することが重要になります。このようにして計画をたて、実際に教育が始められました。
P2M研究会にはP2Mガイドブックをどのように援用するかということで参加させていただいています。今回は、この育成という観点でP2Mガイドブックをどのように援用できるかをテーマに研究をすすめております。プロジェクトマネージャー育成をご専門にされている方がご覧になっておられましたら、率直なご意見やご経験などいただけますと幸いです。宜しくお願いいたします。
|