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社員教育部門の立場からP2Mの資格制度について思うこと

富士電機株式会社 高林 一美: [プロフィール] :1月号

 みなさま、あけましておめでとうございます。富士電機株式会社の高林です。年初の大役を仰せつかり緊張しておりますが、軽いタッチで書いてみます。

 さて、富士電機は地熱発電設備、電気自動車向けパワー半導体、環境保全やエネルギー効率を重視した様々な社会インフラ設備など、エネルギー関連事業を軸に地球環境に貢献できる企業としてグローバルにビジネスを展開している創業1923年の総合電機メーカーです。私は研修部門に所属し、社内の人材育成を担当しております。

 どのような業務においても、プロジェクトマネジメントは基本的な仕事の進め方であるとの考えからP2Mの考え方を社内に広げる活動をしております。具体的には、PMS試験を社内推奨資格として位置づけ、試験が開始された2002年から試験の時期に合わせて年間2回の研修を行ってきております。私は、このすべての研修を担当してきました。

 今日は、P2Mの資格制度について社員教育に従事する立場の日々の悩み事をかかせていただきます。PMAJ殿や読者の方にお知恵を貸していただけると幸いです。

( 1 ) 資格登録・更新のフォロー
 社内には200人弱のPMS合格者がいます。研修では、試験に合格できるレベルまで知識習得をし、その成果を受験により確認することとしています。あくまでも試験合格はプロジェクトマネージャーとしてのスタートラインと位置付けです。このように、受験は知識習得の確認をするという意味合として研修を行っているために、合格したことで一旦の目的が達成するためか、以降の手続きである登録と更新が進んでいません。特に更新は低調です。CPUポイントを取得するために、PMAJ殿にご協力をいただきセミナーなども実施していますが、あまり効果が出ていません。合格後もプロジェクトマネジメントに関する知識レベルの維持・向上のために継続学習の重要性も理解し、実践に知識を利用してはいると思います。しかし、更新にかける時間及び費用と、資格を保持する会社もしくは個人の必要性のバランスがうまく見いだせてない状況です。

( 2 ) 試験制度がCBT (Computer Based Testing) 方式に変わる
 CBTにより試験機会が大幅に増えた点は良いことであるのですが、単純に喜べない面もあります。今まで試験日が決まっていたことでゴールまでの計画を共有していました。しかし、今後は個々に受験日を設定できるようになります。
 年2回の研修を同じように行ったとして、研修終了後直後に受験する人と期間をあけてからの受験計画を立てる人が出てきますので、特に後者について各自にどのように受験計画を実行させるか、言葉をかえれば「確実に受験までもっていけるか」が悩みどころです。

最後に
 ジャーナルの編集部によりますと、本原稿が公開されるのは1月1日とのこと。これにちなんでみなさまもよくご存じの「一年の計は元旦にあり」についての話題です。由来に、いくつかの説があるようですが、毛利元就の言葉だという説をご紹介します。もとは「一年の計は春にあり、一月の計は朔(ついたち)にあり、一日の計は鶏鳴(一番鶏が鳴く早朝)にあり。」一年間の目標や計画は、元旦に決めるのが良いということもあるでしょうが、それ以上に何事も計画や準備が大切であり、初めの計画ができていないと物事はうまくいかないという意味もあるようです。これはまさにプロジェクトの立ち上げプロセスの重要性のことを示しているかと思います。名のある武将のさすがの名言と思いつつ、今年もプロジェクトマネジメントと切っても切れない一年になりそうです。 みなさまにおかれましては新しい年が更に良い年になりますよう。

2015 元旦

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