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パーソナルプロジェクトの勧め (8)
~「アラ還プロジェクト」実行中~

プラネット株式会社 シニアコンサルタント 中 憲治 [プロフィール] :1月号

世界五大陸マラソン完走プロジェクト
Ⅴ.オーストラリア大陸編「メルボルンマラソン」
1. メルボルンの地に立つ
  2014年10月12日(日)オーストラリア・メルボルンのメルボルンパークにあるメルボンマラソンのスタート地点立った。2004年に北アメリカ大陸・ボストンマラソンを走ってから10年の年月が経っていたが、この時を迎えられたことは感慨であった。
この間、トレイルランの練習中に右足踵の骨折など走るうえでは深刻な怪我をはじめ幾つもの故障に悩まされ続けたが、それらを経てこの日を迎えられたことが喜びであった。
五大陸マラソン完走の最後にオーストラリア大陸を、そしてオーストアリアで開催されるマラソン大会には、高橋尚子さんがオリンピックのマラソンで金メダルを取って我々に感激を与えてくれたシドニーマラソンなど幾多のマラソン大会があるが、その中でもメルボルンマラソンを選んだのには訳がある。
 
2. ステークホルダーの協力への感謝
  パーソナルプロジェクトの利点は?と問われると私は、次の3つを挙げることとしている。
自分でスコープ変更が可能であること。
ステークホルダーが少なくて済むこと。
同じ目標について、何度でもチャレンジできること。
②については説明が必要である。それはパーソナルプロジェクトの場合、ステークホルダーは少ないが、そのステークホルダーはプロジェクトへの関心度の高低に関わらず、影響度(権力)は非常に大きいということである。パーソナルプロジェクトの多くがそうであるといえるが、私のパーソナルプロジェクト、取り分けて五大陸マラソン完走プロジェクトに関しては、ステークホルダーの理解と協力がなくしては成り立たないものであった。
その為、私のパーソナルプロジェクトにおけるステークホルダーの中で最大の理解者あり協力者である妻には、五大陸マラソンの最後にあたるメルボルンへは一緒に行こうと早くから誘いをかけていた。メルボルンを最後のマラソンに選んだのには幾つかの理由がある。以前自動車会社に勤務していた時の同僚がメルボルンに移住しており、その人に再会すること。長時間の飛行機旅が比較的苦手な妻にとって、時差が少ないことは利点であること。関東地方とメルボルンでは季節は逆様であるが、10月は日本では秋、メルボルンでは春と同じような気候であり、調整がしやすいこと。などであるが、これまでの理解と協力に感謝する意味で妻にメルボルン行に誘っていたのである。実は、この計画に二人の娘が参加することにより結局は久々の家族4名でのメルボルン旅行となった。
3. スコープ変更は比較的自由にできる。
  海外のマラソン大会への参加は、エントリー手続きがややこしくて日本のツアー会社が主催するツアーに参加することが多い。もっとも、マラソン大会の場合は、それ専門のツアー会社があり、参加者が何名か集まればカスタマイズされた旅行計画を用意してくれることも多い。しかし、今回は家族4名での参加であり、4名のそれぞれの希望をできるだけ叶えることが必要となる。これらを包含したスコープを満たすには、自分で旅行計画を立て、フライト、ホテルなどの予約もすべて自分で行うこととした。
最近は、インターネットを使い、エクスペディアやトリップアドバイザーなどを使うことにより情報収集ができるし、ネット予約も簡単にできる。
しかし、この方法の最大のクリティカルパスは、計画案に対して影響力の大きなステークホルダーの承認を得ることである。計画がまとまった時点で、このプロジェクトの主目的はメルボルンマラソンを走ることでなく、メルボルンを中心としたオーストラリア観光旅行となった。スコープの中にはフィリップ島のフェアリー・ペンギンパレード見学、コアラ、カンガルー、ウォンバットなどと一緒の写真を撮ること、そして、ウルル(エアーズロック)への登山(これは強風の為断念せざるを得なかった)、加えてメルボルンシティーでのマーケット巡りと多彩なものとなった。
 
4. 次の目標設定
  メルボルンマラソンで、五大陸マラソン完走プロジェクトは終結となったが、世界は広い。世界遺産の地で開催されるマラソンの要件を満たすものだけでもまだまだ多くある。イスタンブールマラソン:アジア大陸とヨーロッパ大陸を同時に走れる、コムラッズマラソン:インド洋沿岸と大西洋沿岸を一度に走ることができる、世界で一番高い所で行われるエベレストマラソン、世界最北端開催される、世界最南端で行われる・・など等シニアプロジェクトの種は尽きない。
シニアプロジェクトではどこを走るかは、プロジェクトの3つの制約条件である、スコープ・品質、時間、資源の中で、最大の制約条件は資源(リソース)である。海外マラソンを走るうえでは、体力と資金がシビア―な制約条件となることは間違いない。ステークホルダーとも十分協議しながら決めていくことも求められるだろう。
次回は四国お遍路です。


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