東京P2M研究部会
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2014シンポ二日目ワークショップ振り返る

水ing株式会社 内田 淳二 [プロフィール] :10月号

【はじめに】
 当研究会は、「総論賛成各論反対を制すP2Mの技」を掲げて三年連続でワークショップを続けさせていただいている。組織の目的・目標達成への優れたアプローチ手法であるP2Mのミッション・プロファイリングとプログラムデザインの進め方を実体験してもらえるような具体的事例をメンバー間で話し合って決めて来た。
 三年目の今回は、アベノミクスが推し進める政策を意識した「グローバルな事業改革プロジェクトの成功要因」をテーマに取り上げた。国内有数の金融グループが、リーマン・ショック後の国際金融市場で競争優位を確立する為の中期事業計画は如何にあるべきか?取り上げる事業改革プランの選定を世界5拠点の代表が東京の本社に集まって議論し経営層の意思決定に資する提案を纏め上げるワークショップを練り上げた。
【ありのままの姿】
 過去2回に比べてかなりハードルの高いテーマであるため150分のワークショップで参加者の満足が引き出せるかどうかが心配されたが、所定マイルストーン(下記)をしっかり定め準備が始まった。
① 5月10日:基本構成確認
② 5月29日:フレームの確認、初版、落としどころ(伝えたいこと)
③ 6月14日:施策
④ 6月28日:最終PP確定
⑤ 7月18日:最終PPの事務局提出
⑥ 7月24日:内部リハーサル
⑦ 8月2日:リハーサル:デリア食品@昭島
⑧ 8月28日:最終調整
⑨ 9月5日:実施
 4月にシンポ二日目セミナー参加が決定した後、8月のメンバー所属会社幹部向けリハーサルまで実質3ケ月間しかなかったが、総論(国際金融市場で勝ち残る)、各論(世界5拠点の個別課題にどう対処するか)を具体的に描き出し、当ワークショップの売りである議論結果を見える化する「議論シート」(下図)の作成作業に没頭した。
 8月のリハーサルは、参加メンバーが15人で3チームに分かれて午前10時から午後3時まで一時間の昼食を除き4時間のワークショップが行えた。テーマの背景説明と議論の進め方に2時間、話し合い・発表・まとめに2時間がとれた。トータルでは240分。参加者との意見交換も出来、本番への見通しも得ることが出来た。
 しかし本番は、参加チーム23名で5チームに分かれた想定どおりのワークショップが出来たが、時間が150分であった為、前半の背景説明が十分に行えなかった。結果的に参加者の方々の不満が露に出たワークショップになってしまった。

戦略案検討シート

【あるべき姿と今後について】
 練り上げたワークショップではあったが、本番へ向けた参加者本位の仕掛けと配慮に欠けたものとなってしまったことを反省するばかりである。研究会の活動成果をシンポで発表する上では、参加者本位に徹する厳しさが必要であった。
【最後に】
 シンポのワークショプ参加者の皆様に満足していただけなかったことを真摯に反省した上で、P2Mの普及促進に役立てるような研究活動を今後共、続けさせていただければ幸甚です。関係者の皆様、ご苦労様。そしてありがとうございました。

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