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プロジェクトマネージメントシステム(PMS)雑感

日揮情報システム株式会社 取締役 経営企画部長 飯島 雅 [プロフィール] :9月号

 私のプロジェクトマネージメント(PM)との関わりは、日揮株式会社に入社し情報システム部門に配属されSEとして自社のプロジェクトマネージメントシステム(PMS)に携わることから始まり、その後、情報システム子会社の日揮情報システム(株)に移り、SEとしてまたプロジェクトマネージャ(PMR)として、日揮以外のお客様のPMSの開発・運用に長く携わった。 PMSというツールをSEとして作る立場から、またPMRとして使う立場からシステムを通してPMと関わってきた。

 過去、PMSはエンジニアリング会社など限られた業界で活用されていたが、いまではあらゆる業種・業態において活用されるようになっている。このような潮流の中で、P2Mのような統合化された知識体系の構築や普及は意義深いものと思う。本稿ではPMSというシステムの今後について、少々飛躍した想像も含め書いてみたいと思う。

 プロジェクトとは一回だけの試みであると言われるが、巨大化、複雑化するプロジェクトをマネージするためのシステムは、統合されたシステム(一枚岩システム)だけでは対応しきれなくなるのではないかと考えられる。今後は、スマホアプリのように単機能で使いやすいパッケージやSaaS(Software as a Service)といった様々なアプリケーションを、プロジェクト毎に選択して組み合わせて使う、SOA(Service Oriented Architecture)化が進展すると考えられる。そうした意味では、プロジェクト個別最適なシステムが増加すると考えられる。

 一方、様々なプロジェクトのリスクや進捗、リソースなどをプロジェクトを横断して監理するバックオフィスの重要性は高まり、これを支援するEPM(Enterprise Project Management)システムの再構築が不可欠になると思われる。そこでは、プロジェクト毎に様々な形式で蓄積されるデータを統合管理するための、データマネージメントシステムの整備が重要になると考えられる。

 芭蕉ではないが、不易流行としてPMSの有り様について考える時期にあるように思うこのごろである。

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