セネガル訪問の後参加したロンドンでの大会は、Europe Business Assemblyという英国のNGO団体が主催するLondon Summit of Leadersという国際シンポジウムで、テーマは都市の開発であり、38か国から150名が参加した。基調講演者とセッション・リードスピーカー以外は、アフリカ、CIS諸国、中東、アジアでの各分野成功者が参加しており、元国連大使、上院議員(ナイジェリア)、開発銀行総裁(モンゴル、カザフスタン、ベナン)現役の市長(インドネシア、モンテネグロ)大学教授、インフラデベロッパーのCEO、アンチエージングの巨匠、ロンドン駐在各国外交官など、多彩であった。
会場も超一流で、英国きっての名門クラブであるInstitute of Directorsで、ピカデリー広場近くのこのクラブの建物は元々は英蘭連合軍の元帥としてワーテルローの戦いでナポレオン軍を破ったウェリントン公爵が英国王から下賜された由緒ある館で、各ホールともに歴代英国国王や皇太子の肖像画で飾られた絢爛豪華なところで、そもそも英国になじまない私にはあまり落ち着くところではなかった。昨年12月にロシアの所属大学で、ナポレオンのモスクワ遠征を打破したミハイル・クトゥーゾフ将軍の胸像を見て、今回ロンドンで、ナポレオンの命運を閉じさせることになった英国の英雄の館に来ることになるとは親仏派の私には少々複雑な思いがあったが、世界で多くの講演を行ってちょうど30か国目にして初めて英国デビューを果たした記念すべき場所ではある。
この、かなり場違いな基調講演を行うことになったのは、ウクライナとの繋がりにある。このイベントのオーガナイザー(スポンサー)がウクライナ東部の出版社の社長(大富豪)であり、その友人であるウクライナの教授が基調セッションの議長に指名され、彼の仲間である私も引っ張り込まれた次第だ。危機にあるウクライナからも10名ほど参加し(ロシアからも8名)、私から、私はウクライナの教授であり、ウクライナは不滅である(ウクライナ国歌)とウクライナへの思いも込めたメッセージを講演に入れた。 ♥♥♥