図書紹介
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文房具屋さん大賞2014 ――プロが厳正に審査!最高の逸品が決定!――
(秋葉俊二編集 (株)扶桑社、2014年3月10日発行、112ページ、初版1刷、760円+税)

デニマルさん: 6月号

 先ず、今回紹介する本は雑誌であることをお断りして置きたい。この雑誌を手にするまで文房具屋さん大賞があることを知らなかった。今回で第二回目とあるので、未だ始まって間もない大賞である。誰しも文房具とは幼い頃から鉛筆やノート等の長い付き合いがある。これらは技術と時代の進歩で進化を遂げている。鉛筆を例にとっても、シャープペンやボールペンやサインペンがあり、スマートフォンやタブレットの手書き入力に進化している。だからその時代の文房具を見ると、その時代の文化が垣間見られる。さて文房具だが、調べるとその種類の多さに驚く。先の筆記用具でも、筆・絵具・パレット、墨・硯、インク・ペン、万年筆、クレヨン、チョーク等40種近い。更に、修正用具や紙等の記録媒体を入れると100種以上に及び、それに高級品から廉価版の品質を加味すると想像以上の数になる。その中から自分の文房具を選ぶのは大変なことであるが、それだけロマンと愛着をもった選択となる。文房具好きな者にとっては、参考になる資料が満載されている雑誌である。

文房具屋さん大賞とは        ――プロが厳選した文房具のベスト――
 この大賞の選考者は、名前の通り文房具屋さんである。因みに、明治2年創業の丸善はじめ12社の専門家19名が担当している。その選考基準は、「使い勝手の視点だけでなく、人と文房具との絆を加味している」という。今回審査員となった東急ハンズ担当者は、「機能が充実しているが知られていないもので、お客様に知って貰いたい物を選定」と書いている。プロが自腹でも購入したい逸品が選ばれている。本当に買ってみたいものが多数ある。

文房具のいろいろな分野       ――書く、消す、切る等の部門分け――
 この選考は、世界中の文房具を機能的に7部門に分けてノミネートし、ポイント化して順位付けしている。7つの機能には、書く・消す・切る以外に伝えるや管理する部門もある。伝えるには、ふせん賞とノート賞があり、ノート賞に「カ・クリエ(プラス社)」が受賞している。名前から商品を想像出来ないが、A4の用紙を三つ折り型にした50枚綴じのノートである。管理する部門には手帳賞があり、斬新で機能的でシンプルな物が選考されている。

2014大賞を受賞した商品とは     ――新人賞、部門賞、大賞を決定――
 新人賞は、「フリクション色鉛筆12色(パイロット社)」が選考された。フリクションとは擦ると消える色鉛筆である。フリクション製品ではボールペンが主流であったが、色鉛筆が受賞した。大賞は、「ハリナックス(コクヨ社)」という製品が綴じるという概念を変えた物として選考された。詳しくは本誌をご覧頂きたいのだが、従来の「ホッチキス」で針を使わずに10枚以内の用紙が綴じられ、そのままリサイクル可能な画期的な商品である。


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