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多くの高齢者にとって将来(退職後)の不安を考えてみると、 |
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① |
心身機能の衰えや要介護状態になって個人の尊厳の維持や社会とのつながりが困難になる不安、病気への不安、孤独・孤立への不安であり、高齢期を豊かに暮らすためには、何よりも健康であることが大切である。そのためには、若い頃から、健康管理の重要性を理解し、高齢期に向けた健康づくりに取り組むとともに、適度な運動を継続することが不可欠となっている。
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② |
収入減に伴う経済的不安、生活費への不安であり、生涯にわたって予想される大きな出費(医療費・介護など)に必要な対策としての家計計画であり、生涯経済計画を策定し、将来のライフスタイルに合わせた生活費を確保することが、大事になる。
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③ |
社会的地位の低下への不安、仕事や為すべきことがなくなる不安、社会的存在意義の喪失への不安からくる、生きがい、働きがい、自分の居場所の確保が必要となる。
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「生きがい」は、個人の生活の質を高め、人生に喜びをもたらすものであるが、何に生きがいを見いだすかは人それぞれ異なり、多種多様である。 趣味や教養のほか、就労、起業、社会貢献、さらには、それらにつながる学習活動も含めあらゆる活動が「生きがい」になりうる。
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一人の人間にとっても、生きがいは、年とともに変化していくこともあるが、近年、地域参画・社会貢献に生きがいを感じる高齢者が増えてきている。定年後の生きがいは定年に伴ってすぐに見つかるものではないため、若い時期から高齢期を見据え、学習活動、能力開発、社会貢献など様々な活動に取り組むことを通じて、自ら生きがいを創出していくことが重要となる。
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さらに、地域社会やコミュニティーでの活動を行っていく上で、人間関係の形成は不可欠であるが、 こうした人と人とのつながりは自然にできるものではなく、現役世代から、異なる分野の人と積極的に交わり、関係性やネットワークの構築・維持する努力を行い、継続することによってはじめて成立するものであり、それが高齢期の孤独・孤立を防ぐことにもつながる。 |