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Business Administration
法人経営で言うところのビジネスを体系的な学問として扱う分野に”Business Administration”がある。これに修士号の”Master”を付けるとMBAで知られる”Master of Business Administration”となる。MBAが普及しているが、学士の”Bachelor ” や博士の”Doctor”も学位としてはある。これらのコースでは次のような科目を履修する。 |
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Accounting and Finance(会計と財務) |
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Human Resource Management (人事管理) |
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Marketing Management (マーケッティング) |
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International Management (国際経営) |
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Business Economics (ビジネス経済学) |
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Quantitative Management Techniques (数量的管理技法) |
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Strategic Management (戦略的経営) |
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Managing Change and Entrepreneurship (事業改革と起業論) |
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Dissertation(修士論文)
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このMBAについてだが、日本では不評を耳にすることが多い。「上滑りする薄っぺらなやつ」、「人間性を無視した欧米の冷徹な合理主義」、「日本の社会に合わないから通訳代わりに使われるだけ」「やたら高いだけのボッタクリ学問」「議論で負かすことを教える」などである。経験があって言う人もあるだろうが、多くは経験がなくて言う人だと思う。実際、留学する人や国内においても他国と比べると修学する人は多くない。ビジネスをやるのに特に体系的な知識は必要ないと考える人は多いのだが、昨今の情報化が進んだ社会でのビジネスを次のように表すことが出来る。 |
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この図では、中心に情報システムを据えて外部との接点として4つのマネジメントを表している。市場と顧客の接点であるMarketing Management、人材との接点がHuman Resource Management、出資者との接点がFinancial Management、提供者との接点がOperation Managementである。内部のマネジメントとして、人材開発、報酬・給与体系、生産・購買活動、研究開発活動がある。如何なる事業についても当てはまるマネジメント構成であることを感じて頂けると思うが、これが”Business Administration”の基本概念と言える。
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Project & Program Management
P2Mでは、プロジェクトとプログラムを定義しており、「プロジェクトは、特定使命を受けて資源状況などの制約条件のもとで、特定期間内に実施する将来に向けた価値創造事業であり、個別性、有期性、不確実性の基本属性をもつ」とする。一方、「プログラムは、全体使命を実現するために複数のプロジェクトが有機的に結合された事業であり、基本属性として多義性、拡張性、複雑性、不確実性と言う基本属性がある」とする。そして、プロジェクトには3つのタイプがあると定義しており。一つ目が、目的と目標を定める企画活動をスキームモデル、スケジュールに沿って開発を行うタイプをシステムモデル、定常業務を運用して成果を得る活動をサービスモデルと表現する。これらをプログラムマネジメントで統合すると言うのが基本的な考え方であり図で表すと次のようになる。 |
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(出典 東京P2M研究会)
このP2Mの考え方は、1.の”Business Administration”では”Managing Change”に相当し、複数の変革を統合する一つの手法と成り得る。例えば、商品開発とマーケッティング、人事制度、会計制度、投資などに分かれている複数分野の有機的な統合による変革を意図する場合である。 5年や10年先の中・長期計画を行う場合は、年度毎の予算編成を通じてこれらの変革を計画的に取込む必要があり、部門毎の変革をプロジェクト化し、企画、開発、運用の段階ごとに効果を評価することでビジョンの実現を目指す。この考え方は、生産活動でQCD(品質、コスト、期間)を達成することをプロジェクトとする考え方とは異なる。 |