PMRクラブコーナー
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「P2M & PMAJへの期待」

日立GEニュークリアエナジー(株) 岩瀬 隆司: 2月号

 今回、PMAJ事務局からの依頼により随想なるものを書かせていただきました。これまで、論文、報告書、依頼書など、仕事で必要な作文しかしたためておりませんでしたが、”随想"なる作文は初めての経験で、良き機会と捉えチャレンジしてみました。チャレンジ精神はプロジェクトマネジメントスキル向上のための重要な要素でしょうから。

 ある居酒屋で隣の席にいたサラリーマン風のおじさんが「プロマネはそんなに偉いのかよ~」と同僚の方にくだを巻いていて、同僚の方は、「プロマネは偉いんじゃないの~」と本心ではないようなそぶりで返事を繰り返していました。それを聞いていた私は、「プロマネなんて、全然偉くないですよ」と心の中で言っていました。プロジェクトマネジャー通称プロマネは、プロジェクトを進めるために、社内社外問わずいろいろな方にお願い・依頼・調整はしますが、一方的な依頼や押し付けでは事は進まず、やってはいけないダメなことと分かっています。ただ、分かってはいるが、実態はそうなっていないプロジェクトが多々あると私は思っています。プロマネ本人は、お願いや協調と思っていても、受側は、押し付けや強要と捉えていて、プロマネ本人は、その状況に気がついていないことです。このような誤解は、互いの信頼関係が欠如しているために生じていることと思います。また、信頼関係が出来ている相手から「プロマネ偉いのかよ」とくだを巻かれることもないのだと思います。プロマネ(プロジェクトリーダ)にとって他の人との信頼関係を築くことは、最も必要なことであり、プロジェクト開始の段階で注力すべきことと思います。信頼関係を築くために必要な心掛けと行動は、次のことだと思っています。
心掛け:驕らない(思い上がらない)。威張らない。厭きない(イヤにならない)。落ち込まない。
行動:客観性のある理屈を考える。依頼した相手には結果を失敗でもフィードバックする。
報告・連絡・相談する。会話(会って話を)する。
信頼関係が築けるとは、自身の事を相手が理解している状態が続いていることだと思います。
 プロジェクトリーダー(プロマネ)としての信頼関係をプロジェクトの早い段階で築くためにも、多くの方にプロマネの役割・考え方(プロジェクトマネジメント)を事前に理解していることは望ましいことと思います。自身も出来る範囲で努力していきますが、PMAJでプロジェクト業務従事者を主として集めての研修、フォーラム、意見交換会だけでなく、プロジェクト業務に従事する方以外の方々(設計業務、製造業務、営業業務、経理業務等)にも大いにP2Mなどの理解活動と実績を作っていただけるよう期待したいと思います。

思いつくまま、おりにふれて感じたことを記しましたので、未熟で纏まりの無い文章で誤解を招くこともあるとは思いますが、ご容赦頂けますようお願いします。 おわり。

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