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PMBOK研修部会とともに歩むPM

東洋エンジニアリング(株) プロジェクト管理部 米澤 徹也 [プロフィール] :11月号

私がプロジェクトマネジメント(以下PM)について意識的にかつ積極的に関わり合いを持ったのは、PMP®資格を取得してからです。もちろん、それ以前でも業務においてPMを日常的に実践していたわけですが、PMBOK ®ガイド のようなPM標準プロセスを意識せずに、社内の業務プロセス・業務手順に従って実践してきたように思います。
私は1999年にPMP®資格を取得しましたが、それが人生の転換点であったような気がします。PMP®試験を受けるために、当時JPMF(PMAJの前身:日本プロジェクトマネジメントフォーラム、1998年12月設立)で行っていた試験対策講座を受講し、その縁もあって資格取得後はJPMFの会員になり、その講座を実施していたPMP®試験部会(当時の部会名称)にも入会しました。PMP®試験部会は、PMP®資格を目指す方のために部会員が講師となって、その対策講座を行うことを主目的としていました。2001年から2003年ころまでは、年に6回開催していた講座に毎回満員に近い50人前後の申込みがあり、臨時講座を開催したこともあったくらいの大盛況で、エンジ・建設系やIT系の方々が受講者の多くを占めていました。ところが、この頃をピークに受講者の数はだんだん減少しここ数年間は年間の開催回数も4回に減らしていますし、受講者もエンジ・建設系の参加者は大幅に減少し、もっぱらIT系・その他の方々です。
この間、2005年にJPMFはPMCC(プロジェクトマネジメント資格認定センター)が統合してPMAJとして発足し、部会の名称もPMP®試験部会から研修事業第2部会へ、そして現在はPMBOK研修部会に変更されました。一方で、主な活動内容は講座開催を中心にして、当初はPMP®試験対応講座の3日間コースでしたが、2002年にこれを4日間コースに拡充し、2004年には更に、1日演習講座を追加して、合計5日間のコースを受講すればPMP®資格試験に必要な35時間が得られるという体制にしました。また、これらの受験対策講座とは別に、PMBOK ®ガイド の基礎を学びたい人のためにPMBOK ®ガイド 基礎講座を2005年から開講しました。
私は2002年から部会長として部会活動に携わってきましたが、更なる発展のために、さまざまな試みを行いながらも、基本的にはこれらの講座を中心に行ってきました。しかしながら、日本におけるPMP®取得者数の増加が伸び悩む中、部会活動を活性化していくために、またPMBOK研修部会のビジョンでもあるPMコミュニティーへの貢献を目指して、PMBOK ®ガイド 以外のPMI ®標準、すなわちプログラムマネジメント標準やポートフォリオマネジメント標準への取り組み、更にはPMI ®以外のPM標準、例えばISO21500のプロジェクトマネジメントの手引き、IPMA(国際PM協会)が発行するICB(IPMAのコンピテンスベースライン)、英国商務局が開発したPRINCE2(Projects IN Controlled Environments)などにも取り組むこととし、昨年からこれらの部会での活動の成果をPMBOK研修部会セミナーの場で発表することとしました。現時点まで計6回のセミナーを実施し、今後もテーマを都度検討しながら継続していきたいと考えています。
PMAJはP2M標準ガイドブックを有しPMS等の資格認定も行っていますが、これらの普及・推進はもちろんのこと、P2MやPMBOK ®ガイド 以外のPM標準も積極的に紹介しながら日本のPM実践力の向上に貢献していきたいと考えていますので、今後とも皆様のご理解、ご支援を賜りたく宜しくお願い致します。

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