協会理事コーナー
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私とPMAJの関わり

一般財団法人エンジニアリング協会 松林 正博 [プロフィール] :3月号

 私がプロジェクトマネジメント関連のコミュニティに参加したのはJPMF(日本プロジェクトマネジメントフォーラム)の設立検討のチームに指名されたのが最初です。設立準備期間にトライアルとして現在の例会が計画・実施されました。その当時はチームビルディングという言葉の意味も良く理解できていませんでしたが大変楽しい活動でした。
 私はそれ以前に海外関連のプロジェクトに携わっており、チームの一員であったイギリス系コンサルタントに勧められて、東京PCクラブという外国人が殆どのコミュニティに参加していました。ここで受けたカルチャーショックを良く引き合いに出します。
 それは自己紹介が「何々会社の~です」ではなく「私の名前は~で、現在xx会社で働いています」というものでした。また開かれる例会は単に記録を取って持ち帰るためのミーティングではなく、その場で自身が発言すれば10倍以上の反応を得られ、大変為になるものでした。
 会社という狭い世界を飛び出した人間関係の面白さ、視野の拡大は貴重な体験となっています。今でも覚えている出来事は、当時ソ連が崩壊する前後で、ロシア系の美人が「私はこのままだと帰国しなければならないが、何処か働けるところはないか。」とプレゼンテーションしましたが、数か月後には別の組織の人間として参加していた事です。
上述のコンサルタントとの付き合いの中で普通ではあり得ないジャンルの芸術家、歌手、映画関係者とも同席するチャンスがありました。
 その頃からですが、映画のプロデューサやイベント企画運営会社の人々が参加してくれる様になれば、この日本のPMコミュニティは大成功と考えています。彼らこそ昔からのプロジェクト実践者ではないでしょうか。ただ人の繋がりが無いためか、実現しそうにもありませんが。
 最初に勤めた会社を早期退職し、PMCC初期に事務局員として働いた後、現在に至っています。この頃出会ったP2Mを深く理解出来ているとは言えませんが、PMBOKはターゲットが決定してから役立つ知識、P2Mは、それに加えてターゲットを組み立てる段階から必要な考え方ではないかと思います。PMBOKはプロジェクトに参画するメンバーの知っておくべき事柄、P2Mは幹部候補生が身に着けるべき知識ではないかと感じられました。
 このP2Mを普及させるにはデシジョンメーカー(中小オーナー企業の経営者や地方公共団体のリーダー)たる人々に理解して貰う事が必要と感じています。また現在の日本では震災復興にこそ役立てるべき知恵ではないでしょうか。
 現在、私は個別の活動にはあまり参加出来ていませんが、PMAJ運営のサポート役として働いています。現在も残念に思っているのはPMBOKで初めて知ったステークホルダーの重要性が日本の組織では未だに認知されていない事です。先頭を走っている人は存在感がありますが、所謂裏方(バックヤード)のサポートがあって初めて力を発揮出来ているのだという事を常に念頭に置いて頂きたいと願っています。
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