PMシンポ便りコーナー
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リレーのバトン役

シンポ事務局 古園 豊 [プロフィール] :12月号

 9月、PMシンポジウム2012が成功裏に終わりました。皆様のご協力感謝しています。事務局を2006年から始めて6年(2009年を除)しています。こんなに長くやっていていいものか、最近懐疑的です。
 事務局の最大のテーマは15年間、先輩諸氏が創り上げきた、この伝統をいかに引き継いで(リレーのバトンとして)、毎年のPMシンポジウムの企画・運営に反映し、大会を成功裏に終わらせるかです。

 12月から、PMシンポジウム2013がスタートします。2013年は11月21日-22日と会場の工事の関係で例年とは変えています。2014年は、もとの9月初旬に戻ります。
 事務局として、この間、すなわち終了から次のスタートまでをどのように進めるかが大事といつも考えています。9月の終了(チーム解散)から、11月の中旬スタート(次のチーム結成)までの2ヶ月間、PMシンポジウムというリレーのバトン役が事務局の大事な役割の一つです。今回の反省、次回への引継ぎ、今までつちかい、ストックしてきたPMシンポジウムの企画から運営までの、ノウハウ・仕組み・管理フォーム等を整理し、渡していくことだと思います。

 例年8月末~9月初旬、準備の最大のピークを迎えますが、9月初旬の大会の実施の準備を進めながら、頭の隅に、来年はどうすれば良いのかという思いが日々、大きくなっていきます。PD・PMは?、企画チームリーダー・運営チームリーダーは?、今年の企画・運営の課題はなにだったのか・・・。運営チームをサポートしながら、すなわち実行委員との対話のなかで、考えています。
 マニュアルは詳細に作り準備しているのですが、マニュアルだけでは旨く引継ぎができません。人の考えや思いは、文書のみではよく伝わりません。マニュアル(文書)をベースに、論議と質疑の中から伝わっていくものと思っています。
 ただ、マニュアルや管理フォームは大事です。一言で言えば、運営のノウハウはこのマニュアルとフォームに集約されていると言っても過言ではありませんので。良いフォームは良い仕事が出来ると考えます、特に時間の節約に役立ちます。日々の改良が大事です。
 例えば、現在使っています、当日運営表は、2007年にPMAJ関西がPMフォーラムの中で使われていたエクセルのフォームにヒントを得て、それを改良したものです。
 2006年に初めて担当したときに、初日と2日目のフォームもWBSも別々で、考え方も違っていました。それぞれすばらしい管理フォームなのですが、サポートいただく皆様の全容がわからず困っていました。聞きますと、初日(シンポジウム)、2日目(ワークショップ)という基本的な枠組みの違いから来ているこのことでした。当日運営という、2日間をいかに合理的に回すかという視点でみると、求めるものが違います。2日間という時間と約100人の当日運営チームの動きを、A3一枚(すなわち一目で)で運営出来ないかと言うテーマで考え、改良をしました。現在は「人を中心とした時間の動き」と「時間(初日の午前午後、2日目の午前午後)を中心とした人の動き」の縦軸と横軸の2つの視点から見えるフォームで全てを運営しています。全容がみえ、だいぶ使いやすくなりました。しかし、全て手作業で、直前変更には手間が掛かり、混乱します。次のテーマはこれをシステム化し、簡単にすることです。

 初日、2日目の懇親会(2次会)でのコミュニケーションは事務局として大事な情報収集の時間です。実際は準備と運営のサポートで疲れ果てて、お酒もあまり飲みたくないのですが、ちょっと緊張して皆様のお話に耳を傾けます。こういうときに皆様の本音が聞けますので。特に事務局への苦情、課題は大事です、否定することなく聞くと思いながら、つい事務局の言い分を言ってしまい、失敗をしています。
 若い頃、営業でしたので、宴席でのコミュニケーションのあり方について、先輩諸氏から、お客様の(顧客の)情報をさりげなくどう聞き出すかを多く学びました、このような時に、それが役立っています。基本はお酒のチカラを借りた、双方向コミュニケーションです。少し、仕事から離れて。
 話が少しそれますが、営業になった時の最初の研修で習った、「きどにたてかけし衣食住」
という必須の言葉を思いましました(ちょっと古いかな?)、インターネットで調べますとすぐにわかります。特に初めての人との会話のきっかけにつくりに役に立つとおもいます。

 私の最近のPMシンポジウムへの最大の課題は“マンネリ化の排除”です。7年事務局をやっていますと、なれてしまい当初の新鮮な思いを忘れています。きっちりと、PMらしく段取りをたて、進めていたものを、頭の中だけでやろうとして、チェックを忘れ、後でその修復・フォローに時間を取られるという悪循環を最近は繰り返しています。バトンとしての役割を果たしていないですね。そろそろ、事務局を降りる時期に来ているかなと思う日々です。新しい視点で、新しい感覚で、が大事です。

 多士済々、いろいろな個性の実行チームの方々、当日運営メンバーの皆様がおられ(PMシンポジウムの最大の特徴でもあります)、多くの人の知見に支えられて今日まできています。本来のリレーの役割を忘れることなく、新しい視点で、「つないでいく」事を心がけたいと思っています。

 あたらし方に来ていただきましたので、2013年を通じて引き継いで行きます。2013年もご協力よろしくお願いいたします。

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