グローバルフォーラム
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「グローバルPMへの窓」(第62回)
ロシアより愛をこめて

グローバルPMアナリスト  田中 弘 [プロフィール] :6月号

 先月のコラムで東京六大学野球のことを書いたが、4月から5月に合計6回神宮球場に足を運んで大いに楽しんだ。立って座って、大声で応援をしていると(大嫌いな)ストレッチになり、ストレス発散にもよい。いまどき500円(応援席)で7時間楽しめることはほかにはない。
 私が予想したとおり早稲田大学が最終週を待たずに優勝を決めた。投手力・打撃・守備と、どれをとっても圧倒的な強さであった。PMAJのPMシンポジウムで招待講演をしていただいた前任の應武監督から引き継いで3季目にして最強のチームを築いた岡村猛監督に最大限の敬意を表したい。やはり徹底的に鍛えないと成果はでない。二度ほど早稲田の応援席で応援をしたが、下級生チアの笑顔と校歌斉唱はすばらしい(大きな声で校歌を歌えるのは早稲田のチアだけである)。

 今月は新緑のロシア モスクワから速報としたい。
 5月26(土)日モスクワに到着し、28日(月)、29日と今回訪問の主たる目的である「日本のP2Mナレッジシステムに学ぶイノベーションのプロジェクトとプログラムのマネジメント」と題するP2Mヨーロッパ・バージョンの応用セミナーを行う。本稿を執筆時点で初日を無事終えたところだ。
 定刻成田を出発したアエロフロート623便は快適な10時間弱のフライトで9年ぶりとなるモスクワに運んでくれた。新潟上空から日本海に入り北上し、札幌の西から左に進路を変えて、開発が進むロシア極東地区に入り、ハバロフスク上空から延々シベリア上空を飛んで、ウラル山脈上空を通過するとヨーロッパロシアとなり、定刻より10分早くモスクワに着いた。ウラル山脈あたりまでは毎年パリかミュンヘンに行く際に何度も通るルートであるが、今回はロシア大地の首都であるモスクワに行くとなると気分も高揚する。

ウラル山脈を越えてヨーロッパロシア  前回、2003年6月IPMA国際PM協会連盟主催のモスクワ世界大会に大会組織委員として出席のためにアエロフロート便を利用した際は、アジアで猛威を振るったSAASがまだ残っているさ中であり、マスクを二重にかけて搭乗したが、エコノミークラスはぱらぱらの乗客であり、マスクをしている私の緊張にCAが大笑いしていた。
ウラル山脈を越えてヨーロッパロシア  

 今回はウクライナでさんざん鍛えたおかげで、ほぼ同じ文化であるロシアには親近感をもって旅に出た。機体は最新鋭のエアバス330-300。乗客の7割はロシア人でほぼ満席であり、日本とロシアの交流が活発になってきたことを実感する。乗務員は実にプロフェッショナルであり、サービスも合理性が徹底していてよい。ワインはタダですというので飲んでみたが、まるでぶどうジュースを発酵させた、アルコール分5%くらいの不思議なワインであった。普通のワインを飲みたい人は5ユーロ払って頼むことになっている。
 これまで数回来たモスクワ シェルメチェボ空港はすっかり近代化され、かつての暗いイメージが全くなかった。イミグレーションの通過までにたった25分であった。
 出迎えを受けた主催者社長とビジネス開発部長に案内されて、イズマイロボというモスクワの東にある巨大なホテルコンプレックスに陣取った。30階建のホテルが5棟ある。
主催者社長と ピオトル大帝像に必勝祈願
主催者社長と ピオトル大帝像に必勝祈願

 モスクワで共同講師を務めるウクライナPM協会セルゲイブシュイェブ会長と、我々2名のテーチングアシスタント兼私の通訳のイリアナ・シャラボラ嬢が合流していつものP2Mチームがまた結成された。

原子力エンジニアのグループ討議  今回のセミナーは、PMAJと提携協定を結ぶウクライナPM協会主導で、CIS圏向けに開発したP2M応用の研修パッケージを使って、ロシアの状況を加味した研修であるので、日本・ウクライナ・ロシア3カ国合作の研修となっている。
 受講者は正味23名で、半数以上がロシア原子力公社(ロスアトム)の社員である。マスタークラスは順調に進んでおり、2003年のロシアPM世界大会の時に旧PMCCデレゲーションによってロシアにもたらされたP2Mは新たな普及段階に入った。 以下次号に続く。  ♥♥♥♥♥
原子力エンジニアのグループ討議


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