その次は、システム科学研究機関世界トップ、スイスのInternational Institute for Applied Systems Analysis (IIASA) からExtreme Events(極限事態)研究の大家である教授2名の日本来訪があり、慶應義塾大学管理工学科主催でイブニングセミナーが開催され、慶應の教授方々と共に出席した。これは実にエキサイティングな講演であった。システム理論、複雑性理論、Constructivist Epistemo-praxeology などのP2Mの源流理論を縦横に配し、またすぐれた社会動態分析の新手法を一国に適用し、国の動きを予測するリサーチを行っており、来訪者との交流にも力が入った。私の方からも2010年にヨーロッパで発表した論文をお送りし、続きの議論を申し入れた。
5つ目、私の学の恩師であるProfessor Chritophe N. Bredilletがオーストラアリアの名門、Queensland University of Technology (QUT) のProject Management Academy長に就任した。先生は一昨年フランスSKEMA Business Schoolの学長を辞して、世界銀行のプログラムとしてセネガルでCASR-3PM大学院大学を設立したが、同国の内紛と総選挙の影響でプログラムの立ち上げが遅れており(従い弟子として教授に就任した私の出番も延期)、かつて学部長を務めたこともあるオーストラリアで再び教鞭をとりPMリサーチを展開することになった。
Bredillet教授はPM界で唯一A級ジャーナルであるWiley - PMIのProject Management Journalで余人に代えがたき編集長であり、世界のPM学者の代表であり、まさに哲人である。落ち着いたところで、また、P2Mの世界プロモーションを師弟で進めたいと思う。