【知らないという現実】
1年半前、家電量販店のアルバイトをしていた際に「耐用年数」が明記された家電製品がある事を知りました。そのほとんどが10年以内の設定となっており、母が25年以上使っていた20インチのテレビと6畳用のエアコンを思い出しました。これらには、耐用年数は明記されていませんでしたが、いずれも「made in Japan」として、当時の開発者や技術者の意地・想いというものが頑丈な耐久力を造り出していたのではないかと考えます。
【様々な疑問】
耐用年数は、当時の開発者や技術者の意地・想いから生み出された耐久力を低下させてしまう、「妥協」を生んでしまうのではないかという疑問を感じました。中でも、大型製品・高性能製品は「made in Japan」という表記がありますが、同様に耐用年数も記載されており、せっかくの日本産というブランドが損なわれてしまっているように思います。
現在の製品は高品質になったという点では素晴らしいと感じており、私の母も当時に比べ、何もかもが非常に高品質になったと言っていますが、やはり昔と比べて頑丈ではないと不満を漏らしていました。私は“「made in Japan」でも10年耐えれば良い製品なのか?”、“新しい製品を作り続け、提供することが「省エネ」なのか?” 疑問に思います。
IT業界では、非常に早いサイクルで「新しさ」を争うという実態があります。確かに早いサイクルは、効率的に「新しさ」を生みだします。しかし、昨今の家電製品の業界と同様に、代償として労力・資源を消費してしまい、早いサイクルに比例して消費量は増大するのです。時代と共に損益・安全などの様々なファクターが変化していく世の中で、何を基準としてプロジェクトの目的・目標を設定し価値創造をすればいいのか。私にはまだ答えを出せません。ただ、このままで良いのか、変わるべきではないのか、そのような疑問は一向に絶えません。