ヤングコーナー
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「プロジェクトマネジメントについての葛藤と日常の変化」

千葉工業大学 濱田 佑希 [プロフィール] :1月号

[PMAJとの出会い]
 私がPMAJと出会ったのは学部2年生の夏。PMシンポジウム2009です。この時の私は「プロジェクトマネジメント学科で教えてもらったことが全てだ!!」と考えている学生の一人でした。
 しかし、シンポジウムに参加してその考えは一層され、実務で実施されている幅の広いプロジェクトと、何よりも各プロジェクトによって使う技法が代わり、プロセスも大幅に変化するということに驚愕し、焦りを感じました。

[葛藤の日々。そして決意]
 PMシンポジウム2009に参加してからは毎日が葛藤の日々でした。学生でプロジェクトマネジメントを学ぶ意義はあるのか?大学で授業を聴いて、ただ授業で講義された内容をテストし、単位を認定するだけでPM人材が育つのか?その他にも様々な葛藤がありました。
 この時の私の思い。そして「志」として胸に育っていたのは、
「やれることはやらなければならない!何もやらずに後悔をするよりもやって後悔し、自分が葛藤に思ったことは後輩の世代には改善をしなければならない!!」
 ということです。この思いからPMAJにて開催されている様々な活動と共に、各種団体にて実施されているセミナーへの参加、イベントの開催等を実施する中で学び次代に繋いでいくことを決意しました。

[日常の変化]
 私の高校時代のお話をすれば、高校600人いる中で常に「最下位は誰か?」「赤点の数は?」等と定期考査の度に友達を話しているような学生で、周りの友達から見ればただの馬鹿なやつでした。唯一の取り柄といえば小学生の頃よりやっていた柔道。高校に入学できたのも柔道のおかげです。
 このような私が「一つの思い」を抱いたことにより、企業のマネージャクラスが参加するイベントやセミナーに毎日参加、PMAJのヤングコーナーの副編集長、PMスペシャリストの資格を取得。このように高校時代とは一変し、日常が変化しました。

[一人からチームへ]
 一変した日常を過ごしていると、すぐに変化に気がついた他の学生が私の活動のことを嗅ぎ付けてきました。私の「次代に繋ぐプロジェクト」は最初一人でしたが、このような学生とやる気に満ちあふれたある学生、やる気はあるが成績が悪く周りからは馬鹿なやつとレッテルを張られている学生を集めることにより次第に一つのチームとなりました。

[チームの多様性を求めて]
 私が構成したチームはそれぞれの考え方が全く異なり、多様な考えのもの活動を行っていけるメンバーです。何故、このようなメンバーを集めたか。これには変化をする環境において価値観の固まったメンバーだけでは結局、変化にならないと考えたからです。
 しかし、このチームにも一つの欠陥がありました。それは、同世代しかいないということでした。当初のメンバーは学部3年生で構成されており、全員が同じカリキュラムを受けた学生であり、異なるカリキュラムを受けた学生がいませんでした。また、次世代との人的ネットワークが不足しており、後輩などを活動に参加させるまでに至らないという現状がありました。

[研究室、そして後輩]
 チームの多様性を求めていた私にとっての転機が研究室への配属でした。研究室では先輩との繋がりやメンター(各研究室に一年生が割り当てられ面倒を見る制度)の一年生との繋がりができました。これにより人的ネットワークが拡大し、私が四年生になった現在では、一年生から大学院生までがPMに関する各種イベント、セミンーに参加、毎週木曜日と金曜日にはPMスペシャリスト資格の合格を目指した勉強会までをするまでに至りました。

[チームメンバーからのプレゼント]
 私は今まで様々な活動を実施してきました。活動を通して得た知識、スキルも多く、支援頂いた団体の方々には感謝のしようもありません。
 そんな方々からの支援よりも嬉しかったことがあります。それは、チームメンバーからの感謝の言葉です。「お前がいなかったら大学をやめていた」「留年したけど、お前と出会えたおかげで人生が変わった」「先輩のような人になりたい」「一緒に活動をさせてくれてありがとう」このような言葉が私にとってはチームメンバーからの最高のプレゼントであり、「葛藤の日々。そして決意」してから、私の活動が認められた瞬間であったと感じています。

[最後に]
 プロジェクトマネジメントを学んできて本当によかったと思います。プロジェクトマネジメントがなければ、私の日常は変化せず、どんな人間になっていたかもわかりません。一緒に活動をしてくれた学生メンバーにも感謝しています。短い間でしたがこんなリーダーについてきてくれてありがとう。そして何よりも、私の活動を支援して頂いた多くの方々に感謝しています。
 プロジェクトマネジメントは組織だけではなく、人生さえも変化させることのできる分野です。私はプロジェクトマネジメントを通して日常が変化しただけでなく、メンバーから「お前がリーダーでよかった!!」と感謝してもらうことができました。
 私はプロジェクトマネージャとしての価値はというものは、メンバーから感謝してもらうこととプロジェクトを成功させること、この二つだと大学でプロジェクトマネジメントを学んで実感しました。
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