地域活動コーナー
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理想の企業を、実現するためには?

梶原 定 [プロフィール] :12月号

企業は、企業の理念(経営理念)を構築し、ビジネスを展開しているはずである。 確かに、理念は、理想であり、現実には、すぐできないことがたくさんあると思う。 但し、もし、企業理念がなければ、私たちは、唯、今までと同じ事を単に、くりかすだけになってしまい、環境の変化に対応したり、新たな価値を創造したりすることができなくなってしまう。

そのためには、企業理念を持つことで、現状に満足せず、よりよい製品やサービス、そして、これらを生み出す創造的な企業文化(風土)を作ることができるようになる。 その意味で企業理念は、理想であり、ゴールである。 ゴールを決めずに、チームや組織は、まとまらず、社員・スタッフが、バラバラに走り出したのでは、ゴールに向かって走り出すことはできない。

ゴールがなければ、間違った方向に進んでいたとしても気づくことが困難になる。 ゴールが明確であれば、今、自分がどこに向かっているのか、確認し、間違っていると認識できればその時点で気付いて、あるべき方向に戻って来ることができる。 このようにチームや組織は、ゴールに向かって、色々な経験・体験をしながら、それぞれの役割を果たすことができるようになる。

P2Mの使命達成型職業人とは、社会に認知されるプロフェッショナルであることを希求している。 更に、
日本やグローバル社会に求められる現代の複合課題や複合問題に挑戦する「使命達成型職業人」を理想モデルとしている。

使命達成型職業人が備えるべき要件とは、下図のとおりである。

使命達成型職業人に求められる実践力の形成には「体系的知識」、「実践経験」、職業的倫理観を含む「姿勢・資質・倫理観」の3つの要件を満たすことが不可欠である。 そこで、ここでは、3つの要件の中から「姿勢」に焦点をあててみたい。

「姿勢」について考察する前に、企業理念について、見てみよう。 企業の理念は、2つの要件から構成されている。
1つ目の要件は、企業のビジョンであり、仕事を通して、何を目指すのか、また社会の中でどのような役割を果たすのかを、明確にすること。 2つ目の要件は、企業のビジョンを実現するための企業活動の行動基準(ポリシー)である。 行動基準(ポリシー)がないと企業内の価値観はバラバラとなり、組織としての統一的行動が、取れなくなってしまう。 また、行動基準(ポイシー)は、企業内におけるあらゆることに、優先しなければならない。

企業理念は、以下の条件を満たす必要がある。
1) 社会に貢献するもの。 2)誰からも共感されるもの。 3)企業独自のもの。 4)簡単に達成できるものであってはならいもの。 5)企業内のあらゆることに優先したもの。 そして6)日常のどんな些細な業務にも、 反映されなければならないものでなければならない。 ここで、理想の企業(組織)とは、何か、社会に貢献しうる明確な目標を持ち、その実現のために共感したメンバー(社員・スタッフ)が集まり、一人ひとりが、自立し、相互に支援し合う事によって、無限の価値を提供し続ける企業(組織)である。

理想の企業を実現するためには、企業理念に賛同した人たちが、自立と相互支援によって道を切り開いていく自立型人財をどれだけ多く育成していくかが大切なことになる。 自立型人材とは、物事と他人は思い通りにならない、だからこそ、自立型姿勢で取り組む必要がある。 自立型姿勢とは、1)あらゆる出来事を、前向きに、好意的に、機会的に受け止めるプラス受信(すべてがチャンスになる)ととらえ、2)自分がどれだけ努力するかによって、すべての結果が決まる、3)状況の変化や相手に期待せず、自らの可能性に期待する、4)相手を認め、信頼し、支援する、5)真の原因は、自分自身にあると考えるという姿勢(考え方)である。 これ等の考え方をベースに、すべての社員が改善や向上に努める企業(組織)こそ成長し続ける企業になるのではないか。 一方他人依存型姿勢とは、環境や他人に依存し、確実に楽にできる事だけに取り組み、自分が思い通りのことができないのは、会社や他人に起因しているものと考える考え方である。

 企業が、成長発展していくためには、定常的組織で働いている社員・スタッフのみならず、臨時的に形成されるプロジェクト組織に参集するメンバー社員・スタッフが、企業理念のもと、お互いが相互依存から相互支援(相互に依存するのではなく、相互に信頼し、支援し合うこと)によって、無限の価値創造と感動を提供し続ける企業(組織)こそが真に強い企業になるためには不可欠ではないかと考えます。

参考書籍:「理想の会社」(著者 福島正伸)より
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