協会理事コーナー
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■ PMシンポジウムを終えて

城川 淳: [プロフィール] :11月号

 9月にPMシンポジウムが盛況のうちに幕を閉じた。東日本大震災の影響で盛り上がりに欠けるのではないか、との危惧は杞憂に終わり、むしろ、災害対策や復旧・復興をテーマにした素晴らしい講演が多く、記憶に残る大会になった。来場者アンケート結果では、初日満足度が過去最高であったとの事。喜ばしい限りである。
 今回のPMシンポジウムは、私個人にとっても特別な大会になった。というのは、今年7月にPMAJ副理事長に就いた私にとって、初めて主催者側の立場で参加する大会になったからである。昨年までは、私にとってのPMシンポジウムは年に1回、忙しい業務のやりくりをして船堀まで出掛ける、ある意味では「息抜き」の場という位置付けであった。もちろん、プロマネ関連の講演から数多くの気付きを得ること、PM資格維持ポイントを獲得することも目的ではあるものの、少なくとも自分が主体的に何かをするイベントではなかった。それが、主催者側の立場で運営に携わることになったため、私にとってのPMシンポジウムは昨年までとは全く異なる位置付けのものになった。

 PMシンポジウムの開催はまさに、「プロジェクト」そのものである。そして、他のプロジェクト同様に、それを推進するのは「人」であることは当たり前のことではあるが、私にとって何よりも印象的だったのは、大会運営に携わる多数のボランティアのみなさんの熱気であった。当日スタッフはもちろん、長期にわたる準備作業を通して、色々な立場の方々によってこの大会が成り立っている事を肌で感じることができた。その中には大学生のみなさんも多数参画されており、それぞれが重要な役割を担っていた事も新鮮に感じた。

 私自身は会場設営や撤収等の肉体労働(?)に参画したのはもちろんであるが、その他に、IT-SIG代表として、IT-SIG紹介パンフレットの作成・配布を行った。IT-SIGとは「IT分野に関わりのある企業・組織に共通なPMに係わる問題・課題をとりあげて、広く社会に提言し解決して、IT産業の発展とPMの向上に貢献する」活動であり、現在、6つのWGに分かれて活動している。今回のPMシンポジウムでは、その中の4つのWGが以下の講演を行った。
IT分野でのP2M活用研究
PM実戦力育成策の研究報告
問題深掘への「なぜなぜ5回(階)」
メンバーは作業者 OR 技術者?

 また、これらの講演会場でIT-SIGに関して、「参加希望のWGはありますか?」「新規活動テーマ案はありますか?」という内容のアンケートも実施させてもらった。有効回答は少なかったものの、貴重なご意見をお寄せいただいた。
 新規活動テーマ案としては、
クラウド時代のプログラムとプロジェクトマネジメント
ITSMにおけるPMの位置づけとあり方
ITプロジェクトの危険予知訓練
P2Mを活用したビジネスモデル創造
等のご提案をいただいた。アンケートにご回答いただいたみなさんの生の声を今後の活動に活かしてゆきたい。

 今年は初めて懇親会にも参加させてもらった。今年の総参加者数は220名との事であったが、日頃、会話する機会のない異業種の方から大学生の方まで、様々な立場の方と利害にとらわれずに意見交換できる貴重な場であることを再認識した。
 打ち上げでは数多くのボランティアの方たちと酒を酌み交わした。その中には、「お前は、どんな考えでPMシンポジウムに参加しているんだ」と詰め寄られる場面もあったが、とにかく参加者のみなさんの熱気を感じることができ、最後には「来年も頑張ろう」と気持ち良く散会となった。

 PMシンポジウムは終了したが、熱気は今も冷めていない。大会運営を通じて知り合いになったボランティアの大学生とメールのやりとりをしたり、名刺交換した方からビジネス上の相談を受けたり、といった交流も続いている。これからもPMシンポジウムが取り持つ縁を大切にしてゆきたい。そして、来年もまた、彼らと会えることを楽しみにしている。
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