地域活動コーナー
先号   次号

P2M & PMAJへの期待

広島P2M倶楽部 清水 孝明 [プロフィール] :10月号

 平成15年頃に縁があって会社の補助を受けて講習会に参加した。確か土曜日,日曜日が中心の講義が何回か続いたと思うが,内容的には初めて聴く内容もあり,これまで幾つか経験したプロジェクトを思い出しながら楽しく受講できた。また同時に,もう少し前に受講できていたならば,人生少しは変わっていたかもと感じることもあった。
 その後やはり縁があって資格試験に合格することが出来た。確か長い期間ではなかったが,久しぶりに自宅の勉強机に向かって,きっと人生最後の経験となったであろう試験勉強をしたことを思い出す。

 広島の地での研究会活動であるが,平成18年度頃にスタートしたと記憶している。その後よきリーダとよき仲間の皆様にも恵まれ,今日まで活動が継続できている。清水自身は,所謂プロジェクトリーダー等の経験は何年か前に卒業(?)しており,システム部門のプロジェクトを引っ張るような立場の仕事には久しく就いていないが,間接部門に従事している現在でも,プロジェクトマネジメント的な考え方を時々思い出しながら,業務を進めているところである。

 プロジェクトとは,特定使命を受けて,資源,状況などの特定制約条件のもとで,特定期間内に達成を目指す,将来に向けた価値創造事業であると定義されている。従って,組織があり特定使命(課題)があれば,プロジェクトの基本属性「個別性」「有期性」「不確実性」が定義出来れば,或いは定義さえしてしまえば,プロジェクトは会社や家庭或いは国家のどこにでも存在することになり,プロジェクトマネジメントはどんな場面にでも活かせる実践的能力であると言える。
 従ってP2MやPMS資格者がもっと活躍できる社会(制度),或いは社会からもっと必要とされる存在になることを希望する。

 政治や経済を議論するような知識や素養は全く持ち合わせていないが,今回の3.11の大地震やこれに伴う原子力発電所の事故の対応について,一言だけ申し上げたい。新しく総理大臣となった氏が今後の復興活動について,『関連市町村の支援を行いたい』と言っていたが,清水は全く気に入らない。今回の災害や事故の対応については,市町村レベルで対応できるもの,あるいは市町村レベルで対応すべき問題の前に,明らかに国家レベルで対応すべき問題が大きく横たわっているのだ。市町村レベルが動く前にまずは国家レベルで復興に向けた方針を固め,国家レベルでの対応やスケジュールを明らかにした上で,各市町村に対して,『この方針のもとで市町村レベルでの対応をどう進めるのかを議論しなさい』と動くべきである。国家レベルでのプロジェクトが全く定義されないまま,国家レベルで取組むべき課題や解決に向けた対応の道筋が全く示されないまま,何も見えてこない国の対応に業を煮やした市町村が止むを得ず動き始めたように思えてならない。このまま進めていくと,整合性の取れない,大きな手戻りや二重投資が発生してしまう,かつて経験した失敗事例となるのは明白である。
ページトップに戻る