「PMシンポへの想い」
運営リーダー 笹野 孝志:10月号
今年もPMシンポジュウム2011が9月8日と9日に東京都江戸川区の「タワーホール船堀」で開催され、無事終了することができました。
ご参加いただきました皆様に、運営リーダーとして心より御礼申し上げるとともに、おおよそ一年に渡る実行委員の皆様の的確なご指導・ご支援や、ボランティアとしてご参加いただいた皆様のご支援に対しても、改めて心より御礼申し上げます。
PMシンポ2011の企画会議は2010年11月よりスタートしましたが、今年はその期間中に今までの想定をはるかに超える規模の東日本大震災や、その後の福島第一原子力発電所の事故、日本女子サッカーチーム「なでしこジャパン」のワールドカップ優勝等、プロジェクトマネジメントの視点から見ても心に深く残る様々な出来事が起きた年でもありました。
今年の企画会議では、東日本大震災の発生をきっかけとして企画委員の方々の考え方にも変化が現れたように感じました。会場の防災マニュアルの確認や、それに伴う当日スタッフの連携の在り方、大規模震災の場合の広域避難場所や近隣の病院の所在地確認も事前に再確認をいたしました。
シンポジュウムテーマについても昨年以上に「今求められるものは何か?」、「プロジェクトマネジメントでできることは?」といったことを何度となく議論を重ねながら実行委員全員が考え、それを理念として表現し伝えることができる言葉を探しながら、結果として「協創のプロジェクトマネジメント~発想そして実行~」と決定されました。
その意味するところは、(*)
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変化の激しい環境への社会・産業の迅速な適応が求められる現代、移りゆくニーズを的確に捉え価値あるモノに実現していくことが必須となっている。
特に我が国は、東日本大震災によって引き起こされた大惨事から一日も早い復興を遂げて新たな日本ブランドを創り、国際社会からの期待に応える必要がある。 |
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そのためには、日本ならではの「豊かで独創的な発想」、「発想を周到な計画に導く戦略と方法論」、そして、これを確実に具現化していく「堅固な実行力」の発揮が不可欠である。 |
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私たちは、この総合力を高める方策が、様々な知識と知恵を重ね合わせて取り組んでいく『協創』にある。 |
との想いからでした。
*PMシンポジュウム2011パンフレットより引用
そのような思いを具現化したのが、今年新たな企画として実行した「特別企画トラック」でした。シンポジウムのテーマを基軸として、BCPや想定外の事態におけるリーダーの役割、災害への備え、復興支援プログラム等、今まで我々が蓄積してきた知識に、現実から学ぶべき知恵を重ね合わせ、新たな一歩へのきっかけを感じ取っていただきたいとの想いからでした。「個々が力をあわせ連携しながら、新たな価値を創る」、「知識と知恵を重ね合わせ、共に創りあげる」。このような意味を感じとっていただきたいとの想いでした。
この想いがご参加くださった皆様に伝わったか否か、現在皆様からご提出いただきましたアンケートを分析し、来年のシンポジュウムのプログラム作りに役立てようとPMAJの幹部の皆様が奮闘しています。
ワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」も個々の能力を練習によって高めつつ、それらを結びつけ、連携させることによって「世界一」の栄冠を手にしました。まさに、「個を活かし、個をつなぐ」(松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社元社長 谷井昭雄氏)ことを実践した結果ではないでしょうか?
ビジネスの世界でも「個」が集まったチームでビジネスが進められますが、PMシンポも多様なバックグラウンドを持った「個」が議論を通じながら連携し、企画・計画、運営が行われます。私たちは実行委員として、議論や工夫を重ねながら「個」の能力を鍛え、様々な知恵を重ね合わせることでシンポジュウムを成功に導こうと考えています。
皆様にとっても実行委員会の「協創の場」が、必ずやビジネスの場面で役立つのではないかと思います。多くの方のご参加を心よりお待ちしています。
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