地域活動コーナー
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九州P2M研究会の取組み状況について

九州P2M研究会幹事 栗山 常樹: [プロフィール] :8月号

 九州P2M研究会は福岡を拠点として活動しており、平成23年5月に第11回目の「九州P2M」研究会が開催できました。平成20年7月に第1回を開催しておりますので、3年程継続してきたことになります。毎回、職種や立場の違う5名~8名のメンバーが出席し、私も時には進行役となり不慣れなファシリテートではありますが、意見交換しながら勉強会を実施しております。
 今期の研究テーマは「プロジェクトファシリテーション」です。ある企業グループのBPRによる業務革新に合わせてITシステムを再構築するもので、プロジェクトの発足から企画構想、システム設計・製造、テスト、カットオーバーに至る全ライフサイクルを通した活動について、PMの立場から如何にファシリテートしてきたかを中心に執筆された書籍を基に、メンバー間でマネジメント上の勘所やファシリテーションのノウハウなどを、P2Mの視点を活用し個々の経験則などを交えながら意見交換しまとめて行くものです。事前にワークシートを定めていますので、各人が書籍から自分なりにマネジマントのポイントや成功要因などを章毎にまとめ、勉強会の前に幹事へ提出していただき、集約したものをベースに当日ディスカッションしています。
 毎回、3時間程度をこの意見交換に充てていますが、進めていくと時間が足りずに四苦八苦しているところです。そんな状況ではありますが、参加メンバーの立場や経験の違いなどから、ものの見方や捉え方が異なり、新たな見識や考え方などに気づかされ、少しアレンジすれば仕事に活用できることもあります。反面、時間的な制約から踏み込んだ議論をしたくても、次のステップに行かざるをえなく、一部消化不良となる場面もあります。この点は、今後の課題として捉え、次のテーマではなんとか解消したいと思っております。
 この様なことで、勉強会を推進しておりますが、参考までに研究テーマとして採用している書籍の概要を紹介します。(「プロジェクトファシリテーション」:日本経済新聞出版社(2009年8月出版))
【1章】 立ち上げ(工場主義からハブ&スポークへ) :プロジェクト発足までの過程、改革者意識のメンバー選定
【2章】 チーム作り(Have Fun! 楽しくやろうぜ) :チーム発足、社内外プロジェクト協力者選定
【3章】 現状分析(ぶれない土台づくり) :問題の明確化、漠然としたところから真の原因を追求
【4章】 要件定義(関係者全員の合意で迷走を防ぐ) :関係者全員で順々に合意して行くプロセス
【5章】 投資決済(プロジェクトの頓挫と再挑戦) :会社として今後のプロジェクトへの投資の意思決定
【6章】 組織設計(ファシリテーションの極意を学ぶ) :ファシリテーションで組織を設計
【7章】 開発(課題解決の1000本ノック) :課題解決をしながらプロジェクトを運営
【8章】 稼動(最前線の修羅場を越えついにGOサイン) :ITシステムの実運用へのステップ
【9章】 安定化(トンネルの出口に光が見える) :情報システムは正しく動いて当たり前
【10章】 成長(勝手に育つプロジェクト) :プロジェクトは人も組織も育てる
現在6章まで進んでおり、次回の開催では10章まで進める予定です。その後にプログラムの視点でこの業務革新への取り組みをまとめたいと思い、幹事の間であれこれと悩んでいます。今年中には全てを完了し、次のテーマに移っていきます。
次のテーマは「実務に活かすIT化の原理原則17ヶ条」で、供給側と取得側の立場に分かれての意見交換を試み、より深く掘り下げたディスカッション、より本質へ迫ることで実践的ノウハウを掴み、プロジェクトマネジメントの実務へ何らかの活用を期したいと考えております。
先にも述べましたが、九州の活動はまだまだ低調であります。是非、興味を持たれた九州地区のPMS,PMCのライセンスホルダーの皆さまの本研究会へのご参加をお願い致します。
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