リレー随想
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私とPMAJの関わり

理事 北村 保成: [プロフィール] :6月号

 2001年、筆者が当時パナソニックのシステム・ソリューション部門を新たに再編して誕生したドメインの「人材開発センター」部門の責任者に就任したての頃、会社のOBでもあるPMAJ(当時のPMCC)の花崎氏と渡辺氏からP2Mをご紹介頂いたのがP2Mとの最初の出会いである。
 「プログラムマネジメント」という聞きなれない言葉に関心引かれ、戦略の実践プロセスツールをミドルマネジメントの武器として提供するというコンセプトには大いに共感を覚え、早速ミドルマネジメント層の「戦略実践研修」として導入した。
 その後数年を経て、パナソニック系の教育会社の社長に就任した際には、P2Mを事業の柱にしたいと考えてPMC資格の教育を請け負う会社として認定いただいて今日に至っている。改めてこうして振り返ってみると、P2Mの誕生とともに今日まで歩いてきたことに深い感慨を覚える。
 現在は、顧問としてパナソニック系の経営幹部育成研修の企画や講師を行い、後輩の育成に関わっている。その一環として3月に田中理事長様に、日揮時代の経験も踏まえて大型のグローバル事業推進のやり方をP2M流にアレンジした講義を行って頂いた。5月には第2弾として三井物産の美原様に、商社ビジネスの視点からグローバル事業展開のあり方を学ぶ講義を計画している。
 こうした内容は、従前のパナソニックでは極めて必要性の薄い講座であったが、大きく時代は動いている。家庭電器や情報家電の会社から環境貢献やエネルギー創造の会社へと転換しつつあり、当然マネジメントのあり方も変わらなければならない。今まさに軋みを起こしながら舵を切っている最中である。
 マーケットは、グローバル視点で俯瞰しないとビジネスになりにくい環境になっており、そうなると国家間の競争に耐えうる大きなコミュニティ体制を前提としたマネジメントが必要になってくる。世界に通用する特有の強みを持った異業種が効果的かつ効率的に協業して世界競争を戦っていくというイメージである。
 これからが、本格的にP2Mが現場のミドルマネジメントに活用される時代を迎えたということであろう。あまり精緻に走りすぎて小さくなってしまわないように、大らかに大局を見失わず、異論を許容して複数の長期シナリオを常に保有しているような懐の深さを失わないP2Mであってほしいことを心より願うものである。
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