リレー随想
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顧客とともに成長するEPMエキスパート集団を目指して

ITエンジニアリング(株) 加藤 亨: [プロフィール] :6月号

 「製品を提供するだけでなく、運用が軌道に乗るまで責任を持つ。」
ITの分野で、そんなエンジニアリング企業のDNAを活かすビジネスをしたいという想いで「ITエンジニアリング」という命名をした。その実践のフィールドとして、プラントエンジニアリングの代表的手法であるプロジェクトマネジメント(PM)を選択し、当時、経営手法として注目を浴びつつあった「エンタープライズプロジェクトマネジメント(EPM)」を標榜して、EPM事業を開始した。もう10年以上も前の話しである。
 その後、エンジニアリング業界のPMシステムのデファクトスタンダードであるPrimaveraの日本の代理店を引き受けるめぐり合わせとなり、様々な企業のPMシステムの導入やPM業務改革のお手伝いをさせていただいた。現在のITエンジニアリングのEPM事業の基盤は、これらの実績の上にあり、サポートさせていただいたお客様に心より感謝している。
 一方、PMの考え方自体も、我々がビジネスを開始した1990年代と大きく変わってきている。当時は、PMBOK®の96年版が発行されてはいたが、まだ、PMが一部のエンジニアリング関連企業の専門スキルであり、プロジェクトの運営に悩む一部のソフトウェア企業が、ようやく注目しはじめた段階であった。そこから、一気に、あらゆる産業のマネジメント手法として認識されるようなレベルに駈けのぼってきている。管理対象も、スケジュール中心から、今や、コスト、品質にとどまらず、リスク、ドキュメント、人的リソースなど様々な対象に広がっている。そして、適用範囲もプロジェクト単体だけではなく、企業レベルで適用することが当たり前のようになってきている。
 しかしながら、PM手法や理論の発展とは裏腹に、依然として、PMの導入をどこから始めればいいのか、カンと度胸で進めるプロジェクトからどう脱却して行けばいいのかを悩んでいる企業も多い。また、最近では、グローバルな環境の中で、様々な課題に直面している企業も多い。具体的には本社と海外拠点のプロジェクト情報をどう連携させるか、個別プロジェクト管理の視点と本社マネジメントの視点との違いをどう整合性を持って管理して行けば良いのかなど、個別の状況に応じた課題の相談を受けるケースが増えている。
 我々、ITエンジニアリングは、ビジネス開始当初の夢である「お客様の夢を共に実現して行くソリューションパートナ」という理念を忘れずに、お客様のPMの課題を自分のものとしてとらえ、解決策を提案するだけでなく、実業務に適用して成果を出し、お客様とともに成長して行くEPMエキスパート集団を目指している。
 お客様が悩んだ時、問題に突き当たった時にいつでも相談していただける「PMのホームドクター」、そんな存在になりたいと願いながら、日々の業務を進めている。
以上
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