リレー随想
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「P2M & PMAJへの期待」

中四国地区代表世話人 広島P2M倶楽部代表
舩岡 和宏 (アイシーエナジー・スタンダード): [プロフィール] :6月号

 私は「プロジェクト成功の5原則」を掲げ、それに照らすことでプロジェクトのあるべき姿を確認しています。
1. 魅力に溢れ、実現可能性を感じさせるテーマ
2. フィナンシャル・スポンサード
3. チームビルディングに腐心するリーダー
4. 役割を認識し自立したメンバー
5. 局面を打開できるエース
 この原則を、高いレベルで満たしているプロジェクトは失敗しません。プログラムについても同じことが言えます。逆説的に言えば、プロジェクトマネージャは、この5項目のレベルチェックと、不足を補う対策を打つことが仕事です。
 例えば1のテーマが、「東北の人たちの笑顔を1日でも早く取り戻す!」では、定量的な評価ができないため、どれほど魅力的であっても、実現可能性がぼんやりとしています。
 しかし、「8月中旬に仮設住宅をすべて供給する」というのは、実現性に固執するあまり、魅力どころかあまりの遅さに失望感さえ持ってしまいました。
 プロジェクトテーマに必要なのは「実現可能性」です。可能性を語ることは、人を信じることです。「ひとつになろう」と言いながら、ひとつになれると思っていない。あるいは、どうすればひとつになれるか方策が思いつかないのでは、プロジェクトは立ち上がりません。

 例えば「毎日1,000人の日常を取り戻す!」ならば可能か。
 例えば「毎日3,000人の日常を取り戻す!」ならば可能か。
 例えば「毎日5,000人の日常を取り戻す!」ならば可能か。

 この1点を取ってみても、P2MやPMS資格者に求められているものが、いかに重要かお分かりいただけると思います。
 広島P2M倶楽部では、今春から意見交換などを進めながら、何か自分たちにできることは無いか考える会を進めています。
 PMAJは、自らの知識体系すら変革させることが可能な柔軟性を持っています。
 今こそ、プロジェクトマネジメントの価値向上のために、様々な場面でP2MやPMS資格者の存在意義が向上するような活動をしてほしいですね。
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