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① |
繰り返し使われるナレッジの標準化、マニュアル化
標準化は重要ですが、常に最新化する組織的努力が求められます。欧米の標準化は社会または業界が行っております。したがって業界は常に標準のグレードアップを図っています。企業はその標準を採用しているため、常に最新の標準を活用できます。また、標準化にはそれを使える人材の開発として資格制度があり、資格を持つ人が社会に大勢存在します。欧米社会は標準化と資格者の育成に企業はカネを掛ける必要がない便利な社会システムを持っています。
日本は企業内標準が主体で、外国からの参入障壁として機能していましたが、グローバル化時代はこれがグローバル進出障壁となって、現在競争力低下の大きな原因となっています。しかし、残念なことにこの基本的問題点を理解しないでモノつくりのみに専念しているところに、日本企業の経営者を含む社会全体のグローバル音痴があり、下々の努力を活かせない結果となっています。 |
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② |
過去資料のシステム的整理と検索システム
類似の業務の生産性の向上が図れます |
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③ |
個別設計のデジタル化とプロセス全体のデジタル化
設計はできるだけコンピュータの活用が求められますが、人間の頭脳に依存する部分が存在します。人間の頭脳に依存する部分がデジタル化できると、プロセス全体がデジタル化でき、生産性の向上が飛躍的に高まります。
ここで大きなネックは設計や製造でもベテランの暗黙知をどのようにデジタル化できるかという問題があります。図はベテランの暗黙知のデジタル化を示しています。まず、入力a,b,c,dとします。暗黙知によって出力はx、y、zです。暗黙知の中身を解析したのが図の中の四角い点線の部分です。
左図はインクスという金型製造会社です。42日掛かっていた金型の製作を48時間にすることを研究しました。種々の工夫で、6日間で製作できるところまで来ました。社長は48時間を主張しましたが、「乾いたタオルを絞ってももう一滴の水も出ない」と研究グループは断りました。社長は次に若手に研究を続行させました。若手はベテランの暗黙知をデジタル化できることに努め、ベテランを再雇用し、1年間掛けてデジタル化に成功し、48時間目標を達成しました。左図は設計・製造でCAD/CAMを採用し、すべて無人で金型を製作します。インクスは携帯電話の小型部品の金型で世界の80%を受注できるようになりました。
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④ |
プロジェクト全体のナレッジマネジメント化
プロジェクト業務の始まる前に、過去のプロジェクトナレッジマネジメントの資料から事前チェックを行い、途中で事中チェックを進めると、類似のプロジェクトでは25%時間の節減がはかれるというデータがあります。重要なことはプロジェクトの成功率が高まることです。 |
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⑤ |
価値の提供
この項が最も大切です。モノを売る時代から、価値を売る時代に変わりました。この変化を多くの日本人はまだわかっていません。その上価値そのものが変わってきています。通常は価値を提供することで収益を得ると考えています。ところが現在は価値を無料で提供し、大きな収益を得ているBM(ビジネス・モデル)が種々出現しています。
その事例はグーグル、スカイプなどがあります。
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⑥ |
新しいBM(ビジネスモデル)
価値の提供をパターン化したものがビジネス・モデルです。これからの企業競争は新規ビジネス・モデルの開発といえます。
BMに関してはミッション・プロファイリングで将来をみた「あるべき姿」を洞察するプロセスがあります。 ナレッジマネジメントの優れた企業は卓越した企業として評価されます。その一例を示します。鹿児島建設市場という企業は個人対象の住宅を4つの標準型と内装で四つのパターンを設計し、坪当たり単価を31万円として発売しました。市場価格は48万円です。この会社は大工に3次元CAD搭載のPCを持たせて販売します。顧客は16パターンから1つを選択すると、即座に工程表を施主に提供し、発注伝票をメールします。工程表は会社のウェブに公表されます。大工以外は登録者が早いもの順でウェブに登録すると工程表は関係者の名前が掲載されます。工程の進行に伴い、関係者が自分の業務の進捗を工程表に記入します。関係者は全員ウェブ上で進捗を知ります。このプロジェクトのプロジェクトマネジャーはウェブです。この面白いシステムは省力化の徹底したプロジェクトで安い単価で家が立つモデルです。鹿児島で大成功で、今全国制覇に向けて活躍の場を広げています。
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