「事業戦略とP2Mについて」
柴田 文二 (PMR一期生):3月号
◆ 戦略策定の難しさ?
私が所属する事業部門のSBUは中央官庁系のお客様をターゲットにしている。与野党の政権交代がビジネスとしてのビッグチャンスに繋がるかどうかは、結局、時の運による場合が多い・・・?。政権交代時のビジネスチャンスは、新たな施策が国会で決議され予算が確保できた段階で現出する新規プロジェクトの中にある。リスクとしては、従来の政党が財源を確保して新たなプロジェクトの発足を予定していたが、事業仕分等により予算がカットされ、予定していたプロジェクトが凍結となるケースが想定される。
事業環境の変化による影響は避けようがないのが実情である。しかし、我々のビジネスは、それでも、そのマーケット市場から多くの仕事を得て企業の存続を維持する必要がある。それらを乗り越えて受注を獲得するための秘策を検討してみた。秘策というより、当たり前のことかも知れない。
◆ 人のつながりの大切さ
お客様・上司・部下・同僚・家族との人とのつながりを保持するには、P2Mのアプローチと同様であり、信頼を得ることが大切である。信頼とは、『相手を信用し頼りにすること。』と広辞苑では記されている。信頼されるためには、確実に成果を出す能力を保有し、何事に於いても、使命を達成するために有期的なチームを確立し、効率的・効果的に遂行して実績をあげることにある。
そのための知識と実践力は、まさに、P2Mのマネジメントタワーの個別フレームである①戦略マネジメント、②ファイナンスマネジメント、③システムズマネジメント、④組織マネジメント、⑤目標マネジメント、⑥資源マネジメント、⑦リスクマネジメント、⑧情報マネジメント、⑨関係性マネジメント、⑩バリューマネジメント、⑪コミュニケーションマネジメントに該当する。
この11個の個別マネジメント力を365日自己研磨することが鍵である。個人パワーを高め、事業組織体としての推進力強化を図ることが重要となる。
◆ 事件[ビジネスチャンス]は現場で発生している!
政権交代があったとしても、我々が日常接している直接のお客様は、それに合わせてコロコロと担当業務が変わるわけでは無い。大半の方々は従来の職場に属し、常に、明日のことを考えている。我々プロジェクトマネージャも、現場にいるわけである。
政権がどう変わろうとも、現場の課題・問題点を解決しシステムの利用者である国民が幸福となる施策を提案し、それを実践し成果を出すことが信頼につながるのである。
プロジェクトマネージャの醍醐味は、スキームモデル→システムモデル→サービスモデルというように優れたプロジェクト循環を生み出すことにあると考える。事業戦略立案の早道は、ココにあり!。
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