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「PMを志す学生として意思の在り方について」

千葉工業大学 掛須 啓太 [プロフィール] :1月号

【PMとの出会い】
 私がプロジェクトマネジメントというものに出会ったのは、現在私が在学している千葉工業大学への受験を決めた時でした。そのためプロジェクトマネジメントというものに関する知識は全くと言えるほどなく、プロジェクトマネジメント学科に入ってから、授業により一から学び始めることとなりました。知識のない私にとって「プロジェクトマネジメント」の名前から想像できるものと言えば、その名の通り単なる「企業のプロジェクトにおけるマネージャ」というだけで、その中でどのような活動を行うのかなど見当もつかず、講義の中で教わる数々の知識に圧倒されつつ、ただただ必死にそれらを頭の中に詰め込み続けました。
 漸くある程度の基礎知識は学び終わり、演習などの応用的な内容がある程度済んだ頃、ご縁がありPMAJ主催の「ITプロジェクトマネージャの成功条件」というセミナーに参加させて貰うこととなったのですが、そこで私はPMに対して勘違いをしていたことが発覚しました。

【考えと変化】
 その勘違いというのは、私は「プロジェクトマネジメント」に関わる知識を持っていることだけがプロジェクトマネージャになるにあたって必要なことだと考えていた、ということでした。そのセミナーで私が学んだのは、PM成功に必要となってくる「PMコンピテンシー」というものです。当然、現在私が大学において学んでいるようなマネジメント手法や考え方は重要になってきますが、実際に現場において重要視されてくるのは「コミュニケーションスキル」と「業務知識」でした。
 考えてみれば、その2つがプロジェクトマネージャにとって必須なのは至極当然のことです。特にコミュニケーションが大事であることはPMBOKにおいて知識体系の一つとして挙げられていることなどもあり、理解はしているつもりでした。そして業務知識がなければマネジメントなど出来るはずもないことは、常識的に考えればすぐに解ります。
 それにも関らず、私の身を置くプロジェクトマネジメント学科において、知識としてそれを重視することは教えられましたが、それらを磨く、あるいは鍛える術は教えられることはありませんでした。それ故に、知識を詰め込むことばかりに気を取られ、それだけが全てである、などという愚かな勘違いをしてしまっていたのです。

【学生としてすべきこと】
 大学はあくまで教育機関なので、実際の知識を教え、学ばせる場でしかありません。コミュニケーション能力は自分で鍛える必要があり、また実際の現場での業務知識など就職してその場で働いてみないことには得られるはずがないのです。だからと言って、ただひたすら知識を入れることだけに甘んじていて良いのだろうかと私は考えました。
 業務知識に関しては、社会人である先輩方との対話によりある程度知ることはできるかもしれませんが、実務経験から得るのが一番身につきやすいだろうと私は考えます。では、コミュニケーション能力はどうでしょう。これに関しては、自ら積極的に他者と関わっていくことにより、幾らでも鍛えることが可能です。何より学生である現在は、勉学や就職活動に忙しいながらも十分に交流の機会を持てる余裕のある時期です。プロジェクトマネージャに関わらず社会人にとってコミュニケーション能力は確実に求められることも考えると、今こそが絶好の機会であり、今しかその時間はないとも言えます。

【最後に】
 単に知識を詰め込んだ人間であるだけでなく、必要な知識やスキルは既にある程度備えておき、実務経験を積むことでプロジェクトマネージャとして完成する。そんな人間へと成長を目指すことが、学生においてプロジェクトマネージャを目指す者として、必要なのではないかと私は考えました。その目標を目指し、これからも日々励んでいきたいと思います。
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