ヤングコーナー
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「学生PM」

濱田 佑希 [プロフィール] :12月号

【PMS資格試験を取得して】
 PMSの資格試験の存在を私が知ったのは学部1年の夏です。当初はプロジェクトのノウハウについてどの程度まで記載されているのかは私の知識レベルで理解が出来ませんでした。
 しかし、様々なプロジェクトや勉強会に参加するにつれ、P2Mの意図するプロジェクトマネジメントが少しずつ理解できるようになり資格を取得できるまでに至りました。P2Mの序章では達成型職業人に関する論理的思考や実践力の有無が重要であると記載がされております。私が思うにこれらの能力はメンバーに適確な指示を与えるか。または問題が発生した時にどのように達成するのかと言う点で重要です。何故これらが重要か、
メンバーと意見の相違によるコンフリクトが発生した場合に論理的思考力が不足している場合、メンバーの意見に負けてしまいリーダーとしての尊厳を失う。
ミッションプロファイリングを行う際に実践力が不足している場合、線形性を持つ目標とスケジュールと立てることが難しく、非線形性を持つ目標とスケジュールを立ててしまう。

図「実践力の有無によるミッションまでの流れ」
図「実践力の有無によるミッションまでの流れ」

 この時点においてどの人材を起用するかがプロジェクトの成功率を高める。その上での構想計画が重要であり、それが基盤となり現在研究されているスケジュール短縮手法や技法が意味をなすのではないかということを私の実践と経験より考えた。

【若手PM人材との意見交換会の開催】
 PMシンポジウム2010の企画・運営委員会に所属し、プロジェクトを行っていると熟練PMの方々より『学生ともっと話がしたい』、『日本のPMをもっと活性化させたい』との意見を頂きました。それがきっかけとなり本年の10月20日に、協会のご協力を得て、『若手PM人材との意見交換会』を開催して頂いた。意見交換会では『学生がどのようなことを思っているのか』、『熟練PMは何をしてきたのか』について3時間程語り合った。近年の学生は大学という枠に囚われ、それ以外の世界へと踏み込んでいく意欲が枯渇しているというのが私の見解である。

図「学生の知識形成モデル」

図「学生の知識形成モデル」

学生は教授から教えられた知識に依存している。その知識にはカリキュラム上の制約や教授の知識の偏りといったものが加わる。それを補うため、『書物を読む』、『実践向きのセミナーへの参加』、『様々な分野の知識の収集』、『相違的意見を持つ相手との対話』というような課外活動が重要である。しかし、その活動にも学生の意識により個人差が必ず生まれてくる。だからこそ、これらを知ることの重要性を認識してもらいたいと考えているため、認識できる場を提供していきたいと考えている。そのための第一の場として『若手PM人材との意見交換会』を設けた。

【最後に】
 これらの活動によって実践を積んでいる人も、積んでいない人も意見を交換することのできる『場』を形成していきたい。また、この就職氷河期と言われる時代、就職してからキャリアを考えるという学生が多いように思う。学生の内からキャリアを考え、企業体に入るまでに使える知識ではなく、入っていから使える知識をいうものを持つ学生を増やしていきたいと考えている。
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