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　田中　弘 (たなか・ひろし)

田中理事長パシフィックPMイノベーション代表。
フランスSKEMA経営大学院教授(戦略・プログラム&プロジェクトマネジメント専攻) ・
ウクライナ国立アドミラルマカロフ造船大学名誉教授。
日揮株式会社出身。
前グローバルPMフォーラム会長。
PhD (フランス)、Dr. Sc.(ウクライナ)。
国際交流歴28年。

先号　　　次号

「グローバルPMへの窓」(第52回)
2010年記録したもの

グローバルPMアナリスト　田中　弘　[プロフィール]　：1月号

　私のグローバルPM活動2011年は、これまでで最も激しいものとなった。ざっと纏めてみると、

海外渡航回数	9回(4月から12月)、滞在通算90日
フライト距離	16万キロ

大学での講義時間(海外のみ)	200時間(ウクライナ120時間、フランス65時間、ノルウェイ15時間)
大学院生の論文指導時間	約100時間(修士課程生1、博士課程生1)

ヨーロッパのジャーナル等収録論文数	4件(使用時間：約60時間)
特定国ビジネスエクゼクティブ研修	2件　78時間　(日本で実施)

国際PM大会・会議出席回数	6回(香港、ウクライナ、フランス、ノルウェイ、米国、トルコ、インド)
海外講演回数(大学外)	8回(ウクライナ、フランス、ノルウェイ、トルコ、インド)

　4月から12月にかけては月1回のペースで片道飛行時間12時間から18時間のフライトで講義・講演にでかけては帰国することを繰り返し、カザフスタンPM協会の専務理事からいただいたあだ名が“パルティザン・ヒロ”である。私の海外戦略は経営学の戦略論にも登場する「ゲリラ戦略」そのものである。総力戦では全く目がないので、狙った獲物を確実に落とすように、情報戦術を駆使し、迅速に動く。このためにグローバルネットワークは必須で、私の場合、①主要PM協会の幹部のネットワーク、②PM学者のネットワーク、③世界最大のPMメディア PMFORUM.orgのグローバル・アドバイザーのネットワーク、④いくつかの大学院生のネットワーク、などを活用している。

　60歳代後半にあって、このようにハチャメチャな挑戦をしていて、疲れないかというと、それは疲れる。しかし、時差の影響は全くといってないこと、海外出張も出張と考えないで生活のごく一部(ときどきどこに居るのか分からなくなる)としていること、楽しくやっていることで乗り切ってきた。ちなみに12月の人間ドックではすべて正常であった。

　このような私を支えてくれる道具立てやらリラクゼーションをいくつかご紹介したい。

ThinkPad T400s
使用のPCはこれまで20機ほど買ったが2009年暮れから愛用しているThinkPad T400sを大変頼りにしている。省エネ機能とハイパフォーマンス機能(こちらは年中プレゼンテーションを行うには必須)が両立しており、世界中でプロジェクターとの相性はこれまで完璧で、ウクライナのような国で私のパートナーのPCとプロジェクターが合わないことも時々あるが、私のThinkPadはこのような場面で、ウクライナ語のスライドを投影するのにも役立っている。
ブランドがIBMからLenovoに移ってもThinkPadの機能性と堅牢性は揺るぎないのはうれしいことである。

旅のお供
旅のお供としては、ナイフ・フォーク・箸セット、低周波マッサージ器、小型ヨガマット、薄手の弁当箱(ヨーロッパで、朝食ブッフェからおいしいものを散歩用あるいは夜の書きものタイムのスナック用に取り置き)、小型魔法瓶(コーヒー入れ)、スピリッツ用チューターのフラスコ。フランスに行く時にはキッチネットのついた滞在型ホテルに泊まるので空港で名産ラーメンを買っていく。ただし、滞在3日程度であると、このような面倒くさいものは持って行かない。

郊外温泉
2007年に妻の友人から教えたもらった川崎市(小田急線沿線)にある郊外温泉に行くのが楽しみであり、日本にいるときは毎週でかける。都内と近郊特有の赤茶色の源泉に浸かったあと、タイ古式マッサージとうストレッチマッサージを60分から120分行う(疲れに応じて長さを決める)。長いフライトの後では首回りから背中にかけてがパンパンに張る。た、2006年に南アフリカに片道30時間かけて基調講演をやりに行った際にできた左大腿部深部のコリがでてくる。1回マッサージをやったくらいで引っ込むような張りではないが、これで疲れを解放してやり、数日おいてもう一度マッサージをやるとかなり楽になる。

立ち飲み屋さん
ヨーロッパではフランスでのディナーが5時間程度、地方遠征が土日にぶつかるようであると地方のホストががぜん張り切って6～7時間の大宴会となる(11月のウクライナ巡業で私の所属大学があるニコラエフ着が日曜日で、昼にホテルに着いたら、そのまま、古代ギリシャ都市遺跡の国立公園にある黒海を見下ろす番小屋に連れていかれ、7時間の大宴会となったが、前回同様、田中さんはそこで寝ていてよいよとのお許しがでて、半分くらいは椅子で寝ていた)。日本では、反動からか長い居酒屋飲み会は最近ほとんどやらず、もっぱらPMAJの近所にある立ち飲み専門のお店に一人で行って40分くらい楽しんで帰ることにしている。安い、料理がおいしい、ホッピーが飲めるなど中の飲ん兵衛には大変結構な店である。

　かくして昨年は終わりを告げた。本年は西アフリカのセネガルの大学院での講義もまっている。元バガボンドのPMツアーは続く。 ♥♥♥♥


P2Mを公式スタンダードとするウクライナ国財務省の紋章	インドPM大会2010　基調講演記念手織壁掛