① |
何をしたいのか「将来のあるべき姿(To be)」を示すことである。 |
② |
自らがしたいことに対し、現状はどの程度のレベル「「ありのままの姿(As is)」を知る。 |
③ |
二つの要素を理解し、「あるべき姿」と「ありのままの姿」の落差を認識し、やりたいことの落としどころを決めるのが、ミッションプロファイリング(見える化)である。
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ここでミッションプロファイリングの手順を図9.1に従って説明する。 |
i ) |
経営理念・戦略・使命
プログラムは経営理念・経営戦略・使命から出発する。経営理念は固定的なものであるから、経営戦略から出発すると考えてよい。 |
ii ) |
プログラムオーナーの大まかな意図の確認
プログラム・オーナーとはプログラムの仕掛け人である。誰か仕掛け人がいないと仕事は始まらない。通常仕掛人は、事業部長や企業のオーナーの場合もあると想定した図である。
図9.1 ミッションプロファイリング・プロセス化構成図
プログラム・オーナーは通常多忙である。成功のポイントは知っているが、現場を含めた業務の詳細には詳しくない。そこで経営企画のミドルとか、プログラムマネジャー候補がヒアリングをしてプログラムオーナーの意図を6W1H的にヒアリングして纏め上げる。
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iii ) |
「あるべき姿(To be)」と「ありのままの姿(As is)」を求める
ここでの作業手順はプログラムによって異なる。 |
A. |
「何をやりたい(To be)」か、ある程度見えているプログラム |
・ |
競争相手に追いつくか、それ以上のことをしたい場合等が考えられる。また、パッケージソフトを導入したい場合である。 |
① |
このケースでは第一に「あるべき姿」を明確に描き、プログラムの使命・目的・目標を仮設定する。 |
② |
次に、やりたい事柄に対して、現状の「ありのままの姿」を調査し、問題点の把握を行う。 |
③ |
両者の乖離の程度を見極めて、「ありのままの姿」から「あるべき姿」に到達するための複数の課題を確認する。 |
④ |
課題群をプロジェクト群と認識すると、全体がプログラムとなり、ここの課題群がプロジェクト群となる構造が構築される。 |
⑤ |
現状から目標に到達するまでのロードマップを複数のシナリオとして示す
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B. |
現状の「ありのままの姿」から問題点を探索し、問題点の解消と更に高い「あるべき姿」を求めるプログラム |
・ |
会社再生のケース:例日産自動車 |
① |
現状の「ありのままの姿」から探索した問題点を取り上げる |
② |
問題点を解消するための現実的な課題処理提案を行うことで「あるべき姿」を描き、使命・目的・目標を設定する |
③、④、⑤は前者と同じである。 |
iv ) |
ミッションプロファイリングは「ありのままの姿」の問題点を識別し、洞察力によって「あるべき姿」を示し、実施するプログラムの見える化をする。
図9.2 ミッションプロファイリング策定図は |
① |
俯瞰力によって現実の「ありのままの姿」から問題点を捉えることを示している。 |
② |
洞察力によって「ありのままの姿」から洞察力によって「あるべき姿」を特定することを示している。 |
③ |
「あるべき姿」と「ありのままの姿」との間に生じる乖離が、プログラムを遂行するための課題群として認識される。この課題群と「あるべき姿」がミッションプロファイリングにおける「見える化」である。 |
④ |
これらの課題群はプロジェクト群として認識され、このプロジェクト群を統括するのがプログラムである。
図9.2 ミッションプロファイリング策定図
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v ) |
現実の「ありのままの姿」をどのようにして俯瞰するか?
次回新年号で俯瞰力について説明する。 |